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第6話
相手に見せ付けながら、バイブを挿入した時の屈辱にまみれた顔なんて最高じゃないかしら。
動物的な本能で、自分の方が優位なんだって事が簡単に分かるしね。
私が物思いにふけっていると、画面の中では男がうつ伏せにさせられていた。
『おー。流石ネムの麻酔はよく効くよな』
『は、腹が気持ち悪いぃ』
男のアナルはあっさり三月の指を飲み込み、三月が指を動かす度にぎゅぷぎゅぷという不思議な音をさせていた。
三月が付けている医療用のゴム手袋と、肌が擦れる摩擦音でしょうね。
『さー。今から、お前の処女をいただくぜ』
『許してください…いや…』
『はいはい。諦めろ~』
『いっ!』
うつ伏せにさせられている男に近付いた帽子屋がおもむろに男の肩に噛みついた。
噛みついたと同時に三月が男のアナルにバイブを突き立てる。
私が居たときはそう言えば尿道とピアッシングがメインで、後ろは忘れてたと言っていた気がするわね。
私が帰った後に、この男はめでたく処女を喪失できたみたい。
『うぐっ。いたぁ…腹が苦しっ』
『腹の中にずっぽり入り込んでいるからな』
『肩も可愛くデコレーションできたぜ』
局所麻酔のおかげで挿入には痛みが伴わなかったのか、男は腹部の違和感を訴えている。
肩には帽子屋が噛みついてできた歯形がくっきりとついており、全てうっすらと血が滲んでいた。
『抜けないように、栓をしてっと…あれ?どれが何だっけ?』
三月がバイブを抜けないようにする為に男にテープで固定している。
固定が終わると改めて自分が何をするのか聞いていなかったみたいで、首をかしげていた。
『こちら2つが通常の目盛りで、こちらが揉む』
『あ゛ぁ…はら、こねまわすなぁぁぁ』
クラブが3人に説明するように固定されたバイブの1つ目の目盛を上げると男がのたうち回る。
男自体が固定されているせいで、少し芋虫みたいだなっと思っちゃったわ。
『感想はどうですか?』
『いっ、いぎっ』
『そ~ら。感想を聞かれてるぞぉ』
『いたっ。乳首取れるぅぅ。うえっ、ぐすっ』
男は帽子屋にピアスを力強く引っ張られると、男は遂に子供の様に泣き出してしまった。
泣いても状況は変わらないし、男の周りのメンバー達は泣いていることに興味もましてや同情などという感情は一切読み取れない。
『ほら。早く言わないと、お前の乳首本当に取れちゃうぞ?』
『いだぃぃぃ。やめて!やめへぇ!お腹のなかぐにゅぐにゅしてぎぼちわるいぃ』
帽子屋はピアスを引っ張るふりをして乳首ごと刺激している。
しかし、痛みのせいで男はそれに全く気付いておらず帽子屋の脅しにかなり焦っていた。
ボロボロと涙をこぼしながら腹の違和感を訴える男を慰める者など居ない。
『調教済みの奴隷なら感じるところに当てたら意識飛ぶかもしれませんね』
『ならポイントずらしてみようか』
『やだ、それ…ひっ!イクッ!イクゥゥゥ』
グラブちゃんの疑問に、三月がバイブの位置を調整するように動かすといい部分に当たったのか男の身体が跳ね上がり床を汚している。
びゅっ、ぶぴゅっ
放出する事に意識が傾いているせいか、恍惚の表情を浮かべていた。
『なに?止まら…ないぃ』
『おーこんな所で拡張の成果が出ちゃったのか』
鈴口から噴き上がる精液は粘度があるようで、空気を含んだ下品な音をたてながら床を汚していく。
男は恍惚の表情から一転、再び焦りの表現になって涙が浮いた目を大きく見開いた。
ぶぴゅっ、ビチャッ
三月が言うように尿道を拡張のされたせいなのか、なかなか男の射精が止まらない。
『このモードなら処女もメロメロみたいですね』
『お前のチームもなかなか凶悪な物を開発したな』
クラブちゃんは何やら紙にさらさらと書き込んでいっている。
あれがデータかしら。
横で帽子屋がクラブちゃんに呆れたように声をかけているが、クラブちゃんはデータの転記に忙しそうにペンを動かしている。
『で?次はこれだな』
『あがっ!ぎゃぁぁぁぁぁぁ』
三月が目盛を操作すると男の口から断末魔が上がった。
衝撃が強かったせいか、気絶してしまったのか床に伏せってしまう。
『あははは。目盛MAXだったわ』
『腹はどうなってるかなっと…』
帽子屋は足でうつ伏せになっている男を上に向ける。
すると男の腹は端から見てもバイブの動きが分かるくらいに膨れていた。
バイブが腹を押し上げる度に男は気絶しているにも関わらずビクビクと身体が痙攣して精液を吐き出している。
『段階を踏めば気絶しませんかね?』
『そうだな…後で試してみるか』
再びクラブちゃんと帽子屋の話し声が聞こえる。
『これだけ…お腹膨れてると…傷とか心配』
『一応そういうことも考慮して作ってはいるのですが。確認してみましょう』
チューちゃんの言葉にクラブちゃんは男に近付き、バイブがまだ動いているにも関わらずズルッと力任せに引き抜く。
固定用のテープが剥がれるベリッという音の後に、床に落ちたバイブがガタガタとそういう器具らしからぬ音をたて、確かにマッサージ機を応用したと言う触れ込みの意味が分かる。
『膣は問題ないようですね。ですが、少し腫れているでしょうか?』
『あー。抑炎症のやつ打っときゃ大丈夫だろ』
局部のアップになり、確かに少し腫れているものの裂傷による血液らしきものは見受けられない。
フレームの外から帽子屋のごつごつとした手が伸びてきて膣の内部に注射を一本打ち込む。
『そういや、ちょっと前にできた薬はまだ試してなかったよな?ついでに今試しちまおうぜ』
『そうですね。そうしていただけると有り難いです』
帽子屋の声の後に、クラブちゃんの少し嬉しそうな声が返ってくる。
しばらくするとまた画面に注射器があらわれ、薬剤を打ち込んだ。
ついでに別の開発した薬品の実験もするようね。
久々のお客様に皆はしゃいでいるみたい。
『いぎゃっ!』
『気が付いた?まだまだ終わらないから、これから沢山鳴いて楽しませてよ』
『お茶会…まだ…はじまったばかり…』
『お客様はおもてなししねぇーとな』
男は先程のバイブをこれまた動いたまま挿入されてしまい、あまりの衝撃に目を覚ました。
しかし、お茶会はまだまだ終わらないらしい。
帽子屋の言葉を最後に添付ファイルの再生が終了した。
「えーと。何々…“新製品商品化に向けてのモニターテスト結果”」
もうひとつ添付ファイルが付いていて、そちらのファイルのタイトルは至極まともな物で少し笑ってしまったわ。
あれはモニターというより実験よねぇ。
内容を読み進めてみると確かにちゃんとレポートになっていた。
「ええっと?新型バイブの仕様説明っと」
“揉む”モードは内臓を捏ね回されるみたいな刺激なのね。
“叩く”モードは…あらこれは凄いわ。
“叩く”は文字通り膣で暴れてお腹を内部から殴られている様な刺激があるのね。
刺激が強いからいきなりMAXにすると相手が失神する可能性があるのね。
でも、長時間このモードだと痙攣が確認されると。
あの男は一体どんな事をされたのやらと笑いがこぼれた。
「ん~。ダイヤさまぁ?どこぉ?」
「はいはい。Jちゃんここよぉ」
Jちゃんの声に、持っていたタブレットを鞄に仕舞う。
ふらふらとやって来たJちゃんを膝の上に乗せてあげると肩に顔を埋めて額を肩に擦り付けている。
「Jちゃんは本当に甘えん坊さんねぇ」
「優しくしてくれたのダイヤさまだけだもん」
話し方が子供っぽくなっているわ。
普段は間延びした話し方のJちゃんなんだけど、別に普通に話せない訳ではないみたいなの。
Jちゃんを調教している時に何故私の誘いにのったのかを聞いたことがあった。
よくある話だけどJちゃんの親はあまりの愛情深い方ではなかったそうなの。
母親は水商売で男を変えてはうちに連れ込んでいて、父親は物心ついた頃には既に居らずやはり一時期荒れたそうよ。
そこでよく行っていたピアススタジオの店長に拾われて資格を取って働きはじめた所で現れたのが私。
はじめは変なオカマだと思ってたんですって。
まぁ、それはお仕置きしておいたから今はいいんだけど。
自分に興味を持ってもらったことがないこの子にとって、私が何で自分なんかに興味を持ったのかが凄く不思議だったみたい。
「もう、私だけじゃないでしょ?早く貴方だけの人が見つかるといいわね」
きっかけは何にしろ、今はこの子を必要としている人は沢山いるし活躍の場だってあるわ。
こうやって自分の部下のアフターケアをするのも私達ナンバーなしのお仕事よ。
私の腕でまたうとうとしはじめたJちゃんを見ながら、早くこの子にもいいパートナーが見つかって欲しいと願わずには居られなかったわ。
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