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誘拐

side司 ガシャーン 父さんに電話をしていると、奥の部屋からガラスの割れる音がする。 「えっ?」 『おい?どうした?』 ばたばたと聞こえるか聞こえない位軽い音と共に奥の部屋から屈強な男が2~3人やってくる。 「ちょっ!何だお前ら!や、やめろっ…」 腕をつかまれ、持っていた携帯を落としてしまう。 俺は掴まれた手の反対側を振り上げ、相手に殴りかかろうとするが、別の男にその腕を掴まれ身動きがとれなくなる。 手を一纏めにされたかと思うと、別の男が懐から小さなケースを取り出した。 そのケースを開けると細身の注射器が入っており、それを見た瞬間恐怖で背筋が凍る。 「くそ!離せっ!」 掴まれている腕をなんとか振り解こうともがくが、更に腕を強く押さえられるだけで終わった。 「ひっ!」 部屋着のTシャツにハーフパンツという軽装の俺の腕に、チクっと痛みを伴い注射器の針が沈んでいく。 男に掴まれている腕を離されると体に力が入らず膝からガクッと崩れ落ちる。 俺は力の入らない身体で、なんとか逃げようと膝に力を入れて台所の横にある玄関を目指すが、俺の意思に全く身体がついてこない。 そうこうしているうちに体格のいい男に担ぎ上げられ、刺激臭を感じたと同時に俺の意識は途切れた。 + 「おらっ!起きろ!」 バシンッ 頬に痛みを感じ、目を開けると俺は薄暗い部屋に居た。 コンクリート打ちっぱなしの部屋には簡素なパイプベッドに、扉が2枚と大きなモニターが壁にかかっている。 一見するとオシャレな部屋に見えなくもないが、扉のうち1つは鉄の扉で、覗き窓がついていてこの部屋に異様さを醸し出していた。 もう一方の扉は木製のなんの変鉄もない扉だ。 「…っ!!」 まだ覚醒していない頭では何が起こっているのか分からなかったが、頬の痛みで少しずつ周りの状況を把握する。 身体を起こそうとしたところで俺は絶句してしまう。 なんと俺の身体は椅子の様なものに固定されていたのだ。 「やっと起きたな…ふぁ~待ちくたびれたぞ」 目の前には気の強そうな男があくびをしつつ俺を覗きこんでいた。 耳にピアスをじゃらじゃらと着け、ダメージジーンズにブーツ姿の男は正しくパンクのミュージシャンと言われても不思議ではない格好をしていた。 「お前…誰だ…ここは…何の為に…」 「やっぱりここに来る奴は同じこと言うな。毎度面白味のねぇ」 「何を言って…」 俺は打たれた薬の影響か、まだ頭がぼんやりしている。 男は大きく溜め息をついて俺の方を見ると、懐から何かを取り出した。 ここに来る前の事を思い出し、ぎくっとする。 「手っ取り早く、お前の状況を教えてやるよ」 そう言うと、男がモニターへと手を向ける。 どうも取り出したのはリモコンだったようで、ほっとしたのもつかの間モニターに映像が流れ出す。 『はじめまして。今村司くん。いきなりですが、君には今から私たちの言うことを聞いてもらいます』 モニターにはウサギの被り物をした人物が立っている映像が映る。 そいつは俺の横に居る男と打って変わり、きっちりとした真っ黒なスーツに真っ黒なネクタイと白い手袋をしており、なんだか薄気味悪い雰囲気を醸し出していた。 『勿論、君に拒否権なんて存在しませんが…まぁ、下手な事をするとこの人がどうなっても知りませんけどね?』 映像が切り替わると、見慣れた俺たちアパートの外観が映る。 すぐに画面が真っ暗になりガチャガチャという音の後、父さんの叫び声が聞こえる。 『司?居ないのか?司ぁ?』 どんどん足音が近づいてくると思った次の瞬間、ドサッという音と共に画面が明るくなりそこには父さんが倒れていた。 「父さん!」 はっとして身体を起こそうとするが腕も足もきっちりと固定されているのか、もがいた位ではびくともしない。 精々体が少し浮き上がっただけだった。 『これでよく分かったと思いますが、抵抗すれば君のお父さんの身が危険に晒されますよ?』 ウサギ男の声と共に、父さんが倒れている画面の端に俺に打った注射器と同じものが写る。 「やめろ!何でも…お前らの言うこと何でも聞くから、父さんには何もするな!」 『それはいい心掛けですね』 また映像が切り替わり、ウサギ男が再び映る。 頭の隅ではなんだかホラー映画みたいだなと思っている自分が居る。 『ではそこに居るスペードくんが君の教育係ですので、言うことをよく聞いて頑張ってくださいね』 自動的にプツンと映像が切れると、横に居た男は大きくチッと舌打ちをした。 「相変わらず胸くそワリィ奴だぜ」 べーっとモニターに向かって舌を出している男の行動が、今言われた事と全く一致しない。 カタン 鉄の扉からタブレット端末が差し込まれる。 「早速かよ…めんどくせー」 渋々といった様子でそのタブレット端末を取りに行くスペードという男を目で追う。 今度は懐からタバコを取りだし、馴れた様子で火をつけている。 スペードという男を観察していて気付いたのだが、左の手の甲にはトランプのスペードのマークのタトゥーが入っている。 「んー?何々?今村司22才、○×大学経済学部。家族は父親一人で、父親は高校の体育教師。名前は今村浩介49才。住まいは△△荘106号室に二人暮らし」 「なんでそんなとこまで…」 「内定先は××商事かぁ…お前案外頭良いんだな」 スペードは興味無さそうに一瞬こちらを見ると、再びタブレットへ視線を戻す。 「え~。バイト先は…BARワンダーランド?」 バイト先を音読したスペードは今度は凄く哀れんだ顔でこちらを見てくる。 俺はその視線の意味が分からず、固唾を呑んで様子を伺っていることしかできない。 「まぁ…とりあえず、時間も無いことだし始めっか」 スペードがそう言うとウィーンという小さなモーター音と共に椅子がどんどん後ろへと倒れていく。 足も自分の意思とは関係なく大きく開く形となる。 タブレットを片手にガツガツとブーツを鳴らして近付いてくるスペードに、恐怖で体が固くなる。 「ふ~ん。意外と良い身体してんな。童貞、処女、女性経験、男性経験共になしか」 「っ…」 肩に手がかけられ、その手がどんどん下へと確かめるように手が滑っていく。 ハーフパンツに手がかかると、ウエスト部分からすっと手が中に滑り込んでくる。 股間をむんずと掴まれると急所であるだけに更に恐怖で息がつまる。 「下も良いもん持ってんな」 確かめる様にやわやわと全体を揉み込まれる様に弄られると、俺の意思とは関係なくそこに熱が集まりむくむくと勃ち上がってくる。 「っ…」 そんな辱めを受けていても俺の唯一のできる抵抗と言えば、声を我慢することだけだった。 「これからお前には快楽攻めを受けてもらうぜ」 「か、い…らく?」 スペードがニヤリと笑うと、ハーフパンツの中で手の動きが速くなる。 最近は卒論やバイトで忙しく自分で抜いていなかったせいか、直接的な刺激に更に下半身にはどんどん熱が集まっていく。 「ふっ…」 頭では嫌だと思っているのに直接的な刺激に段々と肉体的に追い込まれていって呆気なくパンツの中にビュクビュクとぶちまけてしまった。 「お前早すぎじゃねーか?おー。たっぷり出してまぁ…」 スペードがハーフパンツのウエストのゴムを引っ張りずらすと独特の臭いが立ち込める。 ぬちゃぁと言う音に急に恥ずかしくなって目を瞑った。 「言い忘れてたけど声を出さないのも結構だが、次からイク時は言わないとそれまで終わらないからな?」 逝った後のぼんやりした頭では、スペードが言っている事はよく理解できない。 またハーフパンツに手をかけられたと思うな否やビリビリと音をたててハーフパンツが引き裂かれていく。 「や、やめっ!」 「おっと、やめてもいいぜ?親父に変わりをしてもらうだけだからな」 「っ…分かった」 父さんの事を出されると強く出れないので俺は押し黙るしかない。 「なら、手を外してやるから今度は自分でしてみな」 カシャンと腕の拘束が解かれ、手を股間に持ってこられる。 「パンツ履いたままじゃよく、見えないよな」 スペードがニヤニヤそう言うと、足元からハサミを取りだし、破られたハーフパンツの残骸や下着、Tシャツを全部取り払われ全裸にさせられるた。 「おら、さっさとはじめろ!」 スペードに命令されるまま、嫌々ながらゆるゆると自身を握り手を上下に動かす。 これから俺の地獄の時間が始まるのだ。

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