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ご主人様
side 浩介
『 や…ろ! 何で…と…くから、父さんには…するな!』
遠くから微かに司の声が聞こえるが、司は何処に居るんだろうか。
大丈夫だぞ司…父さんはここにいるぞ。
そう司に言ってやりたいのに、舌先に何か当たるので咥内は何かで塞がれているのかもしれない。
舌先に集中して咥内の異物を探ると、ぶよぶよとしていてその感触がなんだか気持ち悪い。
『 んぁ、ふぁ、ふんん、んんっ』
俺が咥内の異物を探っていると一生懸命何かを我慢する吐息が聞こえる。
その吐息が先程聞こえた司の声に似ているので、俺は段々心配になってきた。
本当は具合が悪いのに、それを我慢しているのではないだろうか。
司は子供の頃から片親のせいか、俺には心配をかけまいとしてなんでも我慢する癖があった。
恥ずかしながら症状が重くなってからはじめて息子の異変に気が付くと言う事もざらだった。
早く司の所にいかなくてはと思うのに身体が上手く動かない。
『…あぁぁ…ぁぁぁ…』
急に耳元で司の断末魔にも似た悲鳴が聞こえる。
遅れて視界が明るくなったかと思うと、司が見知らぬ男に下半身を弄られている映像が映る。
「んん~っ!ん~」
「あら?お目覚めかしら?」
耳元で直接話しているようにダイヤの声がダイレクトに聞こえる。
しかし、近くに他人の気配がしない。
「この前はモニターで観賞会をしてもらったけど、ちゃんと見れてなかったみたいだから開発部の自信作をつけてもらうわ」
ダイヤの声は直接右の耳に届き、視線は逸らしたいのに逸らした先に映像が映る。
左耳はボリュームは小さいものの、変わらず司の声が聞こえていた。
「私にはよく分からないけど、最新鋭の機械で網膜に直接映像を投影するシステムで目をいくら逸らしても意味が無いそうよ」
凄く楽しそうな声がどんどんと小さくなり代わりに司の声が大きくなる。
『 いた、いたぃぃぃぃぃ、やめ、やめろぉぉぉ』
司が男に下半身をいいように弄ばれそれに伴う苦痛で顔が歪んでいる。
ダイヤが言うように目をいくら逸らしても意味がなかった。
そして不思議な事に目を閉じる事さえできない。
ヴヴヴヴヴヴ
「んぅ!」
急にアナルの中で何かが振動をはじめる。
それは司が絶頂を迎える度に腹の中を殴られているのではないかと思うくらい強い刺激が襲い、自分の意思とは関係なく身体を高められていった。
「んぶぅ、うっ、ふっ」
度を越した刺激に気を失いそうなのに、気を失いそうになる度に刺激が腹を襲う。
頬に涙が伝っている感覚があるのに、映像はボヤけておらずハッキリしている。
声も耳にダイレクトに入ってくる為それが俺の精神を益々すり減らしていく。
「はーい。お疲れさま~。息子の陵辱現場はどうだったかしら?」
薄暗かった目の前が明るくなり、俺は目が眩んでよく見えなかったがダイヤはいつものようにニヤニヤしている雰囲気が声から伝わってくる。
少し光に目が慣れてくると俺は何かで拘束されているのが見えた。
手にはグローブの様なものが付けられ、膝にはサポーターの様な物がつけられている。
胸には乳首を吸い上げている器具が取り付けられていてかなり異様な格好だ。
ダイヤの手にはヘルメットの様な形の機械が握られている。
「んぶっ」
「は~い。お口の中もすっきりしましょうねぇ」
反応の薄い俺の口から出てきたものは小ぶりの棒状の物だった。
棒はゴムでできていて、ダイヤが左右に振ると棒はぶよぶよと震えている。
棒は先端の部分がくびれておりバイブのようにも見えて嫌悪感が沸き上がった。
口から器具が出されると、口の中に飲みきれなくて溜まっていた唾液が溢れ出て顎を伝い首にまで滴り落ちてくる。
一瞬滴り落ちてくる唾液が不快に感じるのだが、もう何もする気が起こらなかった。
「やっぱり息子の陵辱されている姿は刺激が強くてショックだったみたいねぇ。自分の映像を見たときより動きが鈍いわ」
ダイヤは呆れた様に頬に手を当ててため息を吐く。
しかし俺は司が俺がどうなってもいいのかと脅されながら身体をいいように弄ばれていく様子にもう何も考えたくはなかった。
自分が辱しめを受けるより司が辱しめられる方が何倍も精神的ダメージが大きい。
「まぁいいわ…私はお仕事しなくちゃね」
ダイヤの手には小さな箱が握られているが、俺はそれが何かを考えもせずただ無感情に見つめるだけだった。
「さぁ、歩く練習をするわよぉ」
「おぐっ、がっ、あがっ!」
小さな箱に付いているダイヤルを俺に見えるように回すと、再びあの腹の中を殴られているような衝撃が断続的に襲ってきた。
俺は身体を丸めようとするのだが、拘束されているせいでガチャガチャと音がするだけで、刺激をやり過ごす事もできない。
「ふふふ。苦しい?これはハンドマッサージ機を応用して叩くような刺激をしてるだけだから、膣に傷はつかない優れものよ!」
「うぐ、ぐっ」
ダイヤの楽しそうに話す機械の説明など俺にはとうに耳には入っていなかった。
腹の中を強い刺激が襲う度に腹筋はブルブルと痙攣し、脳ミソは強い快感に痺れ、喉はしまって呻き声しか出ない。
「叩きモードはおきに召さなかった?なら揉みモードならどうかしら」
「あがぁぁぁぁぁぁ」
ダイヤが別のボタンを押すと今度は内臓を直接手で揉まれているような刺激が襲ってくる。
先程の刺激に萎えていたぺニスも上を向き壊れた蛇口の様に腹に水溜まりを作っていた。
そこで乳首を吸い上げていた器具を乱暴に取り外されれると、ちゅぽんと空気が抜ける間抜けな音がする。
しかし、俺はその刺激に目の前にチカチカと火花が散った。
「ほぉら。あんよしてごらんなさい」
「うぅ」
ダイヤに首まで垂れてきている唾液を指ですくいあげられ、頭を撫でられる。
頭上にまとめられていた手の拘束を解かれて首輪を掴まれるとベットの下に引きずり降ろされた。
「犬は四つん這いで歩くのよ?」
俺はその言葉にのろのろと四つん這いになり、少しずつ後退していくダイヤのいつも着ている裾の長いチャイナドレスの裾を必死に追いかける。
前に進む度に腹の中の器具が膣内のいいところを刺激して歩みが遅くなる。
「ほぉら上手ねぇ?」
「あぁ、はっ、あっ」
俺の歩みが遅くなる度にダイヤは刺激を止め、また次の刺激が欲しくて俺は前に足を進める。
口からはだらしなく舌が垂れて本当の犬の様にはっはっと短く息を吐き出す。
「あらあら。お部屋中が水浸しねぇ」
またしてもダイヤのくすくすという笑い声が遠くに聞こえる。
俺が這った後には、先走りや唾液などでできた小さな水溜まりが点々と部屋を囲むように点在していた。
しかし俺はそれを恥ずかしいとも感じず、何処か他人事の様に感じていた。
「腰使いも板についてきたわね」
俺はいつの間にか大きく足を開いて起き上がり、腰を落として腹の中の器具を自分の気持ちのいいところに押し当てる。
勝手に腰が揺れて、だらしなく開けている口からはポタポタと唾液が胸に落ちてきていた。
「でも、勝手にオナニーしちゃだめでしょ?」
「あ"ぅぅぅ」
ダイヤにぺニスを踏まれ先端からは再び透明な液体が噴き出す。
リモコンのダイヤルを回されまた腹の中から殴られている様な強い衝撃が襲う。
俺は腰の動きは止まらないものの、ダイヤの顔を見上げ次の指示を待った。
「うふふ。もうきっちり躾ができたみたいね。これなら何処に出しても恥ずかしくないわ」
「んんっ」
ダイヤと目が合うとダイヤは心底嬉しそうな顔になり、俺の頭を犬のようにぐしぐしと乱暴にかき混ぜる。
「素敵なご主人様だといいわね」
ダイヤは踏んでいたペニスから足を退かすと屈んで俺の頬に軽くキスをした。
そのまま嬉しそうにさっさと鉄の扉から出ていってしまったのを俺は無感情に眺めていた。
しかし、未だに俺を辱しめている器具の存在を思い出して俺は再び腰を揺する。
「あう、あっ、いひっ」
一心不乱に快感を追いかけているうちに俺は気を失うように眠りについた。
+
ふと目を覚ますと、あの薄暗い部屋ではなくモノトーンにまとめられた小綺麗な部屋に居た。
ここは何処かのマンションの様で、うっすら開いているカーテンの隙間からはベランダが見える。
俺はゆっくりと起き上がるとベッドから立ち上がり窓に近付く。
腹と孔に少し違和感を感じるが構わずカーテンを開けて外を見る。
見覚えのない景色にここが何処かも分からないが俺が居るのは高層マンションの様で、下の風景が小さく見える。
触れているガラス窓がひんやりと気持ちがいい。
ガチャッ
扉が開く音に俺は音の発生源にゆっくりと目を向けた。
「目が覚めましたか?」
部屋が斜光カーテンのせいで薄暗く、明るい場所に居る俺からでは入ってきた人物の顔が上手く見えない。
俺は自然と目を細め、相手を見ようとしたが寝起きのまだぼんやりする頭では状況をきちんと理解できなかった。
「そんな格好で居ると襲いますよ」
「・・・」
声のトーンから男だと言うのは分かる。
俺は一糸纏わぬ姿をしていたがそんな事はどうでも良いような気がしていてただ立ち尽くしているだけだった。
それだけ俺の心は壊れていたのだ。
「あーあ。あんな凛々しかった先生も壊れちゃったらつまんないなぁ」
ふざけた様な言葉とクスクスという笑い声と共に男が近付いてくる。
段々見えてくる男の顔に薄く靄がかかっていた俺の頭はハッキリと覚醒した。
「えっ…くにまつせん…せ!なん、で、こんなところに…」
「今村先生何日ぶりですかね?」
相手のにっこりと笑った顔を見て俺の頭は混乱する。
口は動揺でカラカラに乾いてしまった。
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