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第6話

 朦朧とする意識の中で、身体を強く揺さぶられるような感覚が須藤を襲う。遠くで自分を呼ぶ声がしてその声を辿ったとき、一気に意識が覚醒した。そこに赤の目をしたヴァンパイアは()らず、見慣れた天井と顔を覗き込む影が須藤の視界に入った。 「良かった……。なんか少し(うな)されてたけど大丈夫?」 「佑月か……」  そこは須藤の主寝室であるベッドの中だった。パジャマ姿である佑月がホッとした顔を見せている。 「いま何時だ?」 「3時過ぎ。ねぇ、一体何の夢見てたの? 仁が魘されるなんて相当珍しいし」 「……覚えてないな」  あれほど突飛な夢を見ていた自分が信じられないと、須藤は夢で咬まれた首筋に手を当てた。しかも夢で魘されていたことも俄には信じられなかった。 「覚えてないなんて嘘だろ? 教えてくれなきゃイタズラしちゃうぞ」  今日はHalloweenだからと言って、佑月は両手を顔の横でワキワキさせながら、楽しそうにしている。それを見た須藤は、不意にリベンジ魂に火が着いた。

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