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Halloween2019年version①

 都内の高級ホテルのバンケットホール。多くの老若男女が集まるパーティの中で、みな独特な衣装を身に纏っている。ヴァンパイアだったりメイド服や血塗れたゾンビなど思い思いの仮装をしている。中には仮装はせず正装姿の紳士淑女もいて、会場は何ともカオスな状態でもあった。佑月を含める【J.O.A.T】メンバー、陸斗、海斗、花もやや興奮した面持ちで会場内を見渡していた。  先日、日本でも有数の資産家である三橋家の執事が【J.O.A.T】へと依頼をしてきた。ハロウィンパーティを開催するので、仮装して客の給仕をして欲しいというものだ。しかもメンバー全員で来て欲しいとの事で、依頼料金として提示された金額は驚愕に値する物だった。たった数時間だけに百万も出すとは正気かとメンバーも驚いたが、相手は資産家のためこれでも少ないと言う。それ故にしつこく貰いすぎだと告げて、相手に依頼を取り止めると言われてしまうと、それは非常にもったいないということで、佑月は有難くこの依頼を受けたわけだが。 「それにしても陸斗に海斗、花ちゃん……凄い仮装だね。元の顔が全く分からない」  佑月は感嘆としたため息混じりに言う。陸斗と海斗は特殊メイクを施されたゾンビだ。血だらけの顔に衣装に、某テーマパークのイベントに混ざっていても遜色ないもの。花はバニーガールの格好に、ゾンビのような特殊メイク。夜道で遭遇すれば悲鳴を上げること間違い無しだ。

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