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「とにかく、その気味の悪い顔をどうにかしろ」 「はい……」  返事をしたものの、こんなに濃いメイクはただの洗顔のみでは落ちないだろう。佑月が須藤にそう告げると、須藤は直ぐに真山へと連絡を入れていた。わざわざメイク落としなる物を買って来させる事になり、佑月は届けてくれた真山へと必死に詫びた。しかもホテルに置きっぱなしになっていた佑月の荷物まで持ってきてくれた。恐縮しっぱなしの佑月に真山は、自分に指示を頂けることが幸せだと言う。しかも今のこの状況を見て、真山は幾分安心した顔をしていた。  どうやら車中でこのゾンビナースを佑月だと分かってはくれたようだが、いまいち状況が把握出来ずに困惑していたようだ。それはそうだろう。須藤も佑月もお互いが他人のフリをしていたのだから、巻き込まれた真山もいい迷惑だったはずだ。  佑月はメイクを落とし、コンタクトレンズも外したすっぴんの自分を見てホッとする。一刻も早くこのナース服を脱いでシャワーを浴びようと、襟元のファスナーを下ろそうとした。手が止まってしまったのは、須藤が洗面ルームへと入って来たからだ。 「遅い。いつまで待たす」 「え……今からシャワー浴びようかと思ってたんだけど」 「何を悠長なことを言ってるんだ」 「は? え? 悠長?」  

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