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Ⅵ ここにいる【完】

「寝顔のお前にキスした」 なんですとー★★★ 俺のファーストキスは既に兄上に取られていた。 でも、それって……… 「愛している」 チュッ 唇が瞼に落ちた。 「伝えたのに、もう忘れたのか」 翼のない兄上の(こえ) 「お前が覚えるまでキスするぞ」 今度は左の瞼に唇が落ちた。 「愛している。弟としても、お前を愛しい存在としても」 視界が反転する。 俺と天井の間に兄上がいる。 俺、兄上に押し倒されちゃってる! 布団の上 愛し合う者同士がする事は一つな訳で…… 「ファーストキスを奪った責任は取ってやるよ」 首筋に唇が降りて、チリリと熱が走った。 俺の体に兄上の跡がつく。 「お前を泣かせたい」 でも、それは悲しみの涙じゃなくて。 「もっと泣かせたい」 温もりと熱に、体が翻弄される。 快楽に流されそうで、ぎゅうっと抱きしめた。 あなたに腕を回して。 もう、あなたを離さない。 翼のない背中 兄上の背中 俺をおんぶしてくれた兄上の背中だ。 「ねぇ、兄上」 「ん?」 「俺も兄上にキスしたいな」 おねだりしたっていいよね? でも俺、キスできないんだ。 唇にキスすると、また兄上が死神に戻ってしまう。 死神だった意地悪な兄上も、ちょっと好きだったな♪ 「案ずるな。いっぱい虐めてやるよ」 漆黒の瞳が妖艶に微笑んだ。 「そういえば、ここ」 俺の手を手にとって、つん……と。 頬っぺたに誘導する。 指先で触れさせられた、そこは…… 「お前にミルク、飛ばされたな」 ミルク? なんのこと? 俺、夕げもまだなんだけど。 ぎゅるるるぅ~ 途端、空腹感に襲われて、お腹が派手になってしまった。 「おいおい。鳴かせたいのは腹の虫じゃない」 うぅ~、恥ずかしいよぅ~ 「お腹いっぱいにしてやるのもいいな?」 怜悧に光る漆黒の眼差しは、死神だった時と同じ。 「ワァ!」 たちまちのうちに、足首を掴まれて押し広げられてしまう。 「可愛い蕾♪ピンクだな」 恥ずかしい! すっぽんぽん 大事な場所が丸見えだ。 欲しい?……って。指でクニクニしながら、わざと聞く兄上は意地悪。 あっ 思い出してしまった…… 兄上の頬っぺたに飛ばしてしまったミルクって、俺の~ 「せせせ~」 「言えよ?」 意地悪だ。 この人、ほんとに俺を泣かせる気だ。 「………せぃえき」 「よくできました♪」 「うひんっ」 つぷり オイルを垂らした指が一本、蕾を撫でて侵入する。 「舐めろ」 俺の飛ばしたらミルクの跡に舌を這わせて、チュッと口づけた。 ご褒美の指がまた一本、挿し込まれて肉ひだを蹂躙する。 「なにが欲しい」 「兄上の種~」 「いい子だな」 三本目の指が挿入されて、腰が揺れた。 きついけど、気持ちいい! 「種をもらうには、なにを挿れたらいい?」 「兄上の……」 「なに?」 「兄上の………ん、こ」 「聞こえなーい」 震える唇で喘ぐけれど、微笑みを浮かべる優雅な口許は許してくれない。 …………ん…こ 兄上の、ち………… ………………ん 、、、、こ………… 欲しい。 妖艶な唇が、そよいだ。 『お前をもっと泣かせたい』 涙は全部、俺がぬぐうから……… ―完―

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