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第7話

翌日。 出発は昼頃というのであまり忙しくもなかったけど、うちのパートナーのスキンヘッドがとんでもない寝坊しやがったせいで遅刻しそうになった。 「そんなに怒らないでくれよハニー、荷物の準備も出来てたんだし、結果的に間に合ったじゃないか」 「間に合ったよ、間に合ったけどな、だからって家出る15分前に起きる奴がどこにいるんだよ!」 日本人と外国人の違いなのか、それともこいつがのんびりしてるだけなのか。叩いても揺すっても起きなくてかなり気を揉んだんだ。 「少しくらい遅れたって大丈夫さ、運転手を待たせておけばいい。その分手当も払うさ」 パンがないならお菓子を食べればいいじゃない、と同じレベルで言うことが優雅だった。 迎えの車は、彼所有の黒いリムジン。彼と結婚して、人生ではじめてリムジンという乗り物に乗った。 運転手に荷物を詰め込んだカートを渡すと、引き換えみたいに白手袋のままリムジンの戸を開けてくれた。 中は奥まで続く黒い皮張りのソファで、小さなバーカウンターまで付いている。運転席側は壁になっているので、乗り込んでしまうと彼と2人きりの空間になる。ちなみにリムジンに乗るのはこれで2回目。相変わらず広いし金持ち感がすごい。

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