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第46話

「もちろんでございます。ご案内せず申し訳ございませんでした、お部屋の方には備え付けておりませんので、食後にご用意致します」 外国人客の中には、あまり浴衣で過ごさない人もいるそうで、あえて部屋においていないのだそうだ。 「何て言ったんだ?」 日本語のやり取りを、目で追いかけていた彼だった。 「せっかく旅館に来たから、浴衣着ようかと思って」 「ユカタ?」 これも説明しないとダメか。 「薄手の着物みたいなものかな」 着物と聞いて、彼の目が輝く。 「着物は着たことがない! 一度着てみたかったんだ」 正式な着物ではないにしろ、それらしい格好は出来るからよしとしようか。 「普通の着物より動きやすいと思うよ。旅館の公式ユニフォームだな」 「公式ユニフォームか、そりゃあいい!」 問題は、高身長のこいつに合う浴衣があるかどうかだけど。 「サイズは8Lサイズまでご用意しておりますが、サイズはいかがいたしましょう?」 そこまでサイズがあればどれかは着られるか。 「こいつ190なんですけど、どの辺になります?」 「190センチでございますね、そうすると、当館の浴衣ですと7Lくらいがよろしいかと存じます」 結構ギリギリだけど、着られるのがあるだけめっけもんだ。普通のLサイズの浴衣と7Lサイズの浴衣をお願いする。

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