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第59話
彼は構わず顔を埋めたまま。そのまま風の音やお湯の音に身を任せ続けると、立っているのもつらくなってくる。
「なぁ、ちょっとしんどい」
いい加減腰がちょっと声が引きつっているけど、そのまま訴える。
「立っているのがか?」
唇を離したら指でソコを刺激してくる。休ませる暇もない。
「うん、ちょっとね」
「それならもう繋がろうか」
「はっ?」
ちょっと早くね?あんまり解された感じしないんだけど、彼は露天の木の柱に手をつかせて、そのまま挿入を試みている。
「大丈夫か? 解れた?」
ちょっと怖くて振り返りながら尋ねると、ほっぺたに軽くキスを見舞われた。
「安心しろ、俺がきちんと解したから心配ない」
「まぁ、お前のことは信用してるけど」
「俺のことを受け入れ慣れているから、触れた途端に蕩けるみたいに解れたぞ」
「はっ? んなわけねーだろ!」
本当に馬鹿みたいなこと言うからツッコむのも疲れる。まぁそういうところ張り合いがあっていいんだけどさ。
「もし辛かったらすぐにやめる。けれど大丈夫だ、心配しなくても」
彼の先端が、俺の穴に触れる。俺の心配をよそに、体は不思議といつも彼を受け入れるのと変わりなく、軽く弛緩していた。俺の体もすっかり慣れたもんだ、とこんなところでしみじみと感じてしまう。
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