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第110話

改めて向かい合って、キスを交わしながら彼の浴衣の帯を解く。 解けると、引き締まった彼の体が露わになる。筋肉が部屋の緩やかな間接照明に照らされると、だいぶ艶めかしく輝いて見えた。 「っていうか、お前パンツ履いてないの?」 下まですっぽんぽん。そこまでは把握していなかった。 「ああ、羽織っているから別にいいかと思って」 「え、いつから履いてないの?」 「今朝から履いていなかったが?」 「マジッ?」 女将の話もすっぽんぽんで聞いてたってことか! 「信じらんねぇ、面白すぎるだろ、さっきの話真剣に聞いてた奴が下すっぽんぽんとか、マジでギャグにしか聞こえなくなってくるじゃん……」 想像するとアンバランスすぎてマジで笑えてくる。しまいにそれが変にツボに入ってしまって、マジで可笑しくてたまらなくなってきた。 彼と2人きりになって、笑っちゃダメな雰囲気から少し解放されたせいもあると思う。肩を震わせながら笑うと、そんなに笑うことないだろう、とバツが悪そうに唇を尖らせた。 「ワリィ、あんな真剣に話聞いといて、下マッパだと思わなかったからつい」 「ハニーも脱げばよかったのに」 「俺が脱いでるのわかったらすぐ触ってくるだろうが」 下手なセクハラ親父より手が早いし、しっかり触ってくるんだから。

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