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第117話
だからって、いつも一方的に舐められるのもなんだか悪い気がする。
今日なんかは特に、悲しみにくれた彼をなるべく癒してあげたいと思うし。
「ちょっと待って」
無理やり起き上がって、ベッドの上で体育座りするみたいに座り直した。
「どうした」
怪訝そうに目を丸くする彼の手を引いて、俺が横になっていた位置に強引に横にする。
「おいおい、どうしたんだ?」
「まぁまぁ。俺に任せなさいって」
すっかり反り返っている彼の下半身をそっと握る。俺が主導権を握るのは、リムジンの中以来だ。
「ハニーがしてくれるのか?」
あまり抵抗もなく、素直に体を開く。俺は脚の間に体を納めて、握ったままの彼の下半身にそっと唇を寄せる。
彼のを口ですることに別に抵抗はないんだけど、彼があんまり好きじゃないみたいで、あんまりさせてもらったことがない。
(もしかしたら、俺ってめちゃくちゃ下手なのかもしれないな)
と思わないこともないけど、まぁいいや。
構わずそのまま先端からかぶりつくみたいに口に含む。口に入れた瞬間から、もう顎が疲れる。
「あぁハニー……いい……」
口に入れただけなのに、ひとっ風呂浴びたみたいないい声を出す。
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