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第118話
一回、興奮しすぎた彼が、強引に喉奥まで押し込めてきたことがあって、本当に苦しくて吐きそうになったことがある。
それ以来あんまり彼が奥まで押し入って来ることはない。浅く、時々深く、甘ったるく抉るみたいに侵食してくる。
「っ、ん」
少し喘ぐのが可愛い。いつも攻められてばかりの俺だけど、彼を攻めたい気持ちが刺激される。
さっき彼にされたのと同じように、大胆に頭を前後させる。
「おいハニーっ、それはっ」
あえて聞こえないふりをする。けれど、よほど我慢できなかったみたいで、無理やり体を離された。
「もー、何すんだよっ」
不完全燃焼すぎて口を尖らせる。
「それ以上はしなくていい、そのまま果ててしまう」
「別にいいよ?」
「よくない」
あえて知らないふりをし続けるけど、起き上がった彼が俺の唇を拭うみたいに唇を重ねてくる。
「それはさすがに本懐じゃない」
「んー、そぉかなぁ?」
「その仕草は可愛いが、言うまでもないだろう?」
それはもちろんわかってるけど。
「ちゃんと1つになりたい、だろ?」
じっと目を見つめて微笑むと、徐々に彼の耳が赤くなって来るのが暗がりの中でも感じられた。
「本当に、小悪魔だなお前は」
「その小悪魔に惚れたくせに」
俺だって、そんな純朴な彼に惚れたんだけどさ。
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