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第119話
「俺だって同じだよ、1つになりたいと思ってる」
ゆっくり体を起こして、彼の体にまたがる。
彼の先端が、なんとなく俺の穴に触れるようにしながら。
彼の太い腕が、俺の体を支える。
「俺さ」
体を起こした彼の首に、腕を回して。
薄暗い部屋の中で、じっと彼の目を見つめながら。
支えてくれているのを感じると、つい大胆になってしまう。
「お前と出会って、俺すっかり変わったんだよ」
そんなつもりはなかったけど、つい艶っぽい声になる。
「変わった?」
彼はまっすぐに俺の目を見つめ返す。この目の温もりが、いつも俺を穏やかな気持ちにしてくれる。
「どう変わったのかはわからないな。俺が出会った時から、お前は優しくて美しかったから」
「んなわけねぇじゃん」
「いいや、俺はこう見えても人を見る目はあるからな。間違いない」
そのまま、するりと腰から背中を撫でられる。一瞬体が跳ね上がったけど、我慢できる程度だ。
「そして、出会った時から今まで、お前は何も変わっていない。愛しいままだ」
さらに体を起こして、胸元にキスを1つ。
「愛している……」
そして、俺の名前を呼んだ。
「ちょ……」
さすがに、それはズルいだろ。
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