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第121話

本当に、こいつに出会えてよかった。 たまに思うけど、今この瞬間に、またそんなことを思った。 居てくれるだけで恋しくて、愛しくて、なんでも許せてしまう存在が自分のそばにあることが、こんなに幸せなことだなんて。 「きっと彼らも」 彼がまたそう口を開いたのを、止めもせずに聞く。今はなぜか怖くはなかった。 「きっと彼らも、俺たちと同じだったはずだ。互いが愛しくて、そばにいるだけで心地よかったに違いない」 「うん、そうだな、絶対」 今なら、当時の彼らの気持ちを代弁できるんじゃないかと思うほどに。 彼の額にキスする。お返しみたいに、胸にキスを1つ。 「ハニー、ちゃんと繋がりたいんだ。いいか?」 ただ入れたいとかヤりたいとかそういうんじゃなくて、そんな風にアプローチされたら嫌だなんて言えるわけもない。 「うん、繋がろっか」 あまりにも軽く、でもしっかりと、彼の言葉を受け入れた。けれど、ちゃんと受け入れるにはまだ支度が不十分なままでもある。 「準備しよう」 緩慢な動作で、彼が俺を横たえさせる。俺も抗わないで受け入れた。 大きく開かれた脚の間に彼の頭がおさまる。 「少し腰を」 言いながら、俺の脚を引いて、中途半端にでんぐり返しした体勢にされる。

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