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第133話
今できる精一杯の強がりで、精一杯の甘え。
軽くキスして、顔を見せないようにすぐさま彼の肩に顎を預ける。顔を見せるのが恥ずかしくて、言い逃げするみたいにやってしまった行動。
それが彼に火をつけてしまうなんて、まったく考えもせずに。
「これ以上幸せにしてくれるっていうのか?」
低い声で囁いて来た彼が、いきなり体を離し、そのまま舌を深く絡めるキスを見舞ってくる。
「ひっ、ん!」
窒息するんじゃないかと思うくらい深くて隙間のないキスは、舌と唾液を絡ませ、ほんの少し離れた唇と唇の間に、粘っこい糸が引く。
「ぷあっ」
やっと唇を離したところで、水から顔を上げるように、大げさに呼吸する。
少し頭がクラクラするけど、彼は構わずめちゃくちゃに腰を突き上げてくる。
「ひゃっ! やぁっ、まって、え」
声が裏返る。本当に腹の真ん中に彼のが突き刺さっているみたいに、体の奥深くがジンジンと痺れて熱い。
ベソかきそう。だらしないけど、彼を体の内側からも外側からも感じて、何も考えれなくなる。
「はぁあっ! もぉ!」
俺がどれだけ泣いても喘いでも、彼は腰を止めるどころかますます奥まで侵入してこようとする。
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