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第17話
「……北見、先生……」
吐息のような小さな呼びかけ。
「ん?」
「僕も、先生が……好き……」
「ロイ……」
以前に偶然という形でロイの気持ちを聞いて知っていたが、やはり直接告白されると来るものがある。
俺は、自覚なく誘ってくるロイのかわいい鼻をちょんと指で突いてから、苦笑とともに言葉を落とした。
「だめだよ、ロイ。こんなシチュエーションで、そんなこと言われたら、オレ君になにするか分からないよ?」
「……よ」
「なに? 何て言ったの? ロイ?」
「いい、よ。先生になら、なにをされても」
ロイはそう言葉を紡ぐと胸に頭を擦り寄せてくる。
だめだ。
そんな際どいことを言われ、こんなかわいい仕草をされたら、クモの糸よりも細くなってしまった理性の糸が切れてしまう。
「ロイ……」
北見はロイの頬を大きな手で包み込むと、視線を合わせた。
「先生……」
大きな目からポロリと涙が零れ落ちたのを見た瞬間、俺の理性は完全に切れてしまった。
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