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第18話

 噛みつくようなキスをロイに与え、柔らかな唇を舌で舐め、優しく歯を立てることを繰り返していると、やがてそのさくらんぼのような唇がゆっくりと開いていく。  その隙を逃さず、北見はロイの唇の間に舌を差し入れた。 「んっ……んー?」  こんなふうな大人のキスは初めてなのだろう。  俺の背中に回したロイの腕が強く服を握り締め、すがりついてくる。  怯えたように逃げる舌を追いかけ、捕まえ、絡ませる。  二人の唾液が交じり合い、どちらのものか分からなくなるくらいに激しいキスを交わした。    ベッドにロイを押し倒し、完全に彼の上に乗りかかる格好になった俺は深いキスを続けながら、ロイの着ているトレーナーの裾から手を侵入させた。  手が素肌に触れた瞬間、ロイが体をピクンと跳ねさせる。 「……先生……」  大きな瞳が濡れたように潤み、頬が薄紅色に染まっているのは、さっき飲んだワインのせいだけだはないだろう。  こんなに綺麗で儚い存在を抱いてしまっていいのだろうか?  俺の心に躊躇いに似た気持ちが一瞬生まれた。  だが、それもすぐに霧散してしまう。   「もう、止められない。ロイ」  ロイの耳元で囁くと、愛しい人は体を小さく振るわせたあと、はにかんだように頷いてくれた。

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