西園寺は飛び出した淫具の先端を爪の先で弾いたり或いは回転させたりしながら散々マツバを泣かせてきた。 「もっ……だめ、そこは…んんっあああっ」 西園寺の言ういい場所に淫具の先が触れるたび、快楽の芯を直接嬲られているような愉悦が込み上げてきて、達しているそばからまた達してしまう。 すっかり感じる粘膜になったそこへの容赦のない責めにマツバは恍惚を覚えながらも、恐怖を感じていた。 こんなにも簡単にイかされ続けていたら本当におかしくなってしまう。 しかし、マツバの懸念とは裏腹に西園寺は両脚を左右に広げると自らの剛直を押し付けてきた。 すっかり彼の味や形を覚えているそこは、早く迎えいれたいと勝手に口を開いていく。 「欲しいか？」 淫具を挿し込まれたままそれを挿れられたらどうなるか容易に想像できた。 きっと我を忘れてしまうほど取り乱し、凄まじい快楽に殺されてしまうだろう。 しかし、愛しい西園寺を前に決してNoとは言えない。 快楽に蕩け、コクリと頷くマツバを満足げに見つめると西園寺は容赦なくその昂りをねじ込んできた。 「あああっ…ひいああぁあっ！！」 挿入の衝撃で再びマツバは絶頂を極めてしまった。 当然、淫具で塞がれているため蜜を吹き上げる事はできない。 その上で更にグリグリと泣き所を抉られてしまい、言葉にならない悲鳴を上げる。 「……っ…っ…ぁ〜〜〜〜っ」 「前と後ろから感じる所を挟まれると気持ちいいだろう？」 西園寺の言葉にマツバは泣き喚きなが背中にある敷布を掻きむしった。 もう形振りなど構っていられなかった。 尻が持ち上がり勝手に腰が揺れ、男根の先を感じる場所へ自らぶちあてていく。 頭の中にはいくつもの火花が散り、快楽神経は焼け尽くされそうだった。 その時、ふいに精路を塞いでいた棒がズルリと引き抜かれる。 「そろそろ出させてやろう。我慢した分強烈なのがくるが、全部出してしまいなさい」 「…えっ…西園寺様…待って、待ってください…このままでは着物が…！！」 我に返ったマツバは何とか制止を試みるが、縛られた身体では到底叶うはずなかった。 ちゅぽん、と濡れた音がして蜜口から淫具が引き抜かれる。 すると縛られた内腿がおかしな痙攣をして、腰骨の奥からマグマのような熱が込み上げてきた。 中に留められていた大量の精子が出口を求めて一気に精路に押し寄せる。 「いや、…出る…出るっ…っ、ひあぁあぁあ！！！」 腰を二、三度限界まで突き上げて、マツバは蜜を噴き上げた。 美しい着物はあっという間に白濁にまみれ、みだりがましい光景になる。 しかし、我慢に我慢を重ねた欲望が止まるはずなかった。 そして西園寺の容赦のない律動も開始される。 蜜口から何度も吐精してその度に西園寺に突き上げられまた達して、マツバは深い絶頂地獄にはまってしまったのだった。 「ふ…っ…ううっ…うっう」 それから何度か中で出され、ようやく縄も解かれ解放されたマツバだったがまだ惑乱状態に陥っていた。 凄烈な情事に身体はガクガクと震え、まだ尿道や後孔を何かで犯されているような気さえする。 着物や髪はぐちゃぐちゃに乱れ、楚々とした奥ゆかしい姿はもはやみる影もない。 苦労をして着付けてくれたアザミに何と言われるだろう。 こんなに強烈なセックスを新年一番にされたのは初めてだった。 きっと向こう一年間、今日の事を何度も思い返してしまうだろう。 しかも想い人からされたのだから尚更だ。 マツバは多幸感の中に潜む昏い影から目をそらすように瞼を閉じた。 明日からまた違う男に抱かれなければならないが、今日の記憶があればきっと耐えていける。 まだ男娼でいられる。 そう言い聞かせて。 「かわいかったよマツバ。これからもっと俺の事しか考えられなくしてやるから覚悟してろよ？」 西園寺に口づけられてマツバはそっと心の中で呟いた。 「とっくの昔にそうなっている」 と。 end. 今年もマツバちゃんはじめ淫花廓をよろしくお願い致します。 こちらは完結とさせていただき、次回より身請け編として新たに執筆させていただきます。 (遅筆のためまだ未定ですが) 他の淫花廓の作品もタグから遊びに行けますのでよろしくお願い致します。 おととななな