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仲直り

えっと、どういうこと………….? ゆ、夢の中でアキと俺が、エッチした…………? 「えっ………と、それは…………?」 あたふたと戸惑う俺はキョロキョロと色んな方角に目線を泳がせながら、聞いて良いのかも分からないような質問を投げかけてしまう ちらりとアキの顔を見上げるとうーん、と少し首を傾げまた口を開く 「えっとな、オレが翔に挿れて…それで翔のこと揺さぶって中に出して、翔はアンアン喘いでイって…………」 「ちょっ!も、もういいっ!それ以上言うなッ!」 挿れて!? 揺さぶって!? 中に出して!? 喘いでって何!? ドカンと一発爆発したみたいに頭の中が混乱する 恥ずかしげもなくそんなことを口にするアキは顔ひとつ赤くしちゃいない 告げられた事実があまりにも予想外すぎて、俺の思考はショートの一歩手前まで迫っている 「翔がすげえエッチだったからオレ、起きたら夢精しちまってて」 「う、うわあああああ!」 ドカンの二発目の、しかもさっきよりも大きな爆発が頭の中で発生しいよいよ俺は呻き声を上げてベッドを転がり回りやがてずるんと滑って落ちる ア、アキがこんなにスケベだったなんて………! 「し、翔!大丈夫か!?」 「う……いたいぃ………………」 「ほら、抱っこしてやるから」 「んん……」 アキに抱き抱えられ、再びベッドの上へと舞い戻る だがここで、どこかさっきとは景色が違うのに気付く さっきまで正面にいたはずのアキの姿がない その代わり、俺の体を何か大きくて温かいものが包み込んでいるような感触 「捕まえたっ!」 気付くと俺はアキの膝の上 後ろからぎゅっと腕を回され抱きしめられているような状態になっていた ぺたり、とアキのたくましい肌が服越しに背中に当たる 肩越しに聞こえるアキの明るい声に、更に恥ずかしくなってますます小さく縮こまる 「ば、ばか、離せってば…………」 「やーだ、なぁ、このまま話していい?」 「だ、だめ………」 「な、お願い」 「んっ…………」 吐息を含むように色っぽい声でアキが囁く 耳にかかる温かい吐息に、思わず体がぶるっと震えてしまう そして俺が頷くよりも前に、アキはまた首筋に唇をくっ付け始める そして気を抜いた隙に投下される、三発目の爆弾 「実は昨日の朝な、翔、乳首見えてた……」 「へっ………!?」 「それでオレ、勃っちゃった………」 「たっ……………」 さっき以上に色っぽく囁き、耳の軟骨のあたりを甘噛みされる ボンっと顔が一気に真っ赤になりだらだらと謎の汗が流れ始める お、俺あの時乳首見えちゃってたの……!? 全然気付かなかった…………… しかもアキ、それで勃ったって…………… 「だから翔と目合わせらんなかった、ごめん」 恥ずかしさで頭も胸もいっぱいでどう返すのが正しいのか分からない 羞恥心でじわりと涙が滲んできて、必死に溢れてしまわないよう堪える 「だから翔のことが嫌いになったんじゃないよ」 「…………」 「むしろ好きすぎてどうにかなりそうなんだぜ」 「う………………」 はっきりとアキの口から聞こえた言葉 そんな言葉にぽたりと涙が溢れてしまう 俺が泣き出してしまったのに気付くと、アキはあの時のように泣くなー、と困ったように笑って後ろからぎゅっと強く抱きしめてくる 「ごめんな、不安にさせて」 「う、ううん…………っ」 「許してくれる?」 「んっ……ゆるして、やる………っ」 ごしごしと腕で涙を吹きながらアキの問いかけに頷いた 素直に頷いてやるのは何だか照れ臭くて、少し濁しながら言う それにアキは無邪気に笑ってうなじのあたりに頭をぐりぐりと擦り付ける くすぐったくて笑ってしまうと、脇腹をこちょこちょとくすぐられる 「翔、好き………」 「んっ………ぁ…」 「ん、翔、しょう…………」 「ぁ…………っ、ンっ……………」 するとじゃれていたのが次第にまた首筋への少しエッチなキスへと変わっていく ちゅ、ちゅ、と首筋から次第に耳の裏や鎖骨のあたりに降りて来る 優しく触れる唇が俺の体を火照らせていく 後ろからぎゅっと抱きしめられると、また色んなところにキスを落とされる 気持ちイイ………… もっと、してほしい………………… アキのキスが気持ちよすぎて仕方がない 慣れない快感に悶えながら、されるがままにキスを受け入れる しばらくこうされているうちに、下半身がムズムズとしていることに気付いた

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