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翔のはじめて全部

はふはふと浅く息を吐きながらアキを誘う もうどうにも頭が働かなくて、今はただただ体が快感を欲している 「オレのも一緒にしていい?」 「んっ…………」 アキにそう問われ、よく分からないまま頷く するとアキはおもむろにスウェットを下着ごとぐっと下げ、勃起したものを取り出した ボロンっと飛び出すアキのものに、思わず俺はどこかに行っていた意識を取り戻す う……うそ………………っ!? 「ま、まってッ………」 「ん?どうかしたか?」 「で、でかっ………」 「そうか?普通くらいだろ?」 アキのものは今までに見たこともないくらいに長くてぶっとくて大きかった 爽やかな顔には似ても似つかぬ赤黒い皮膚の色 それにカリ首が高くてズル剥けしてるし血管もバキバキに浮かび上がっている誰もが羨むようなイケメンちんぽ アキのが普通だと言うならば、俺のは漏れなく短小という括りにされてしまうだろう あ、あんなにでかいの、見たことない………!! 中学の修学旅行でも高1の林間合宿でも、あんな規格外みたいなサイズと出会ったことはない あわあわと狼狽る俺に対してアキはそうか?と無邪気に笑っている もう一度だけちらりとアキのものを見てみるも、俺の見間違いなんかではなく正真正銘のビッグサイズだ 不覚にもビビってしまい、さっきの快感も忘れて腰が引ける するとアキが俺の体を優しく起き上がらせ、向かい合わせになるように座らせた そしてお腹に付きそうなくらいバキバキに反り勃ったアキのそれを俺のと一緒に握り上下に扱き出してしまう 「はっ…………っ」 「んっ、ぅあ…………っ、アッ、あっ」 「翔、きもちーな?」 「んっ、んっ………!」 忘れていた快感がすぐに戻ってきて、またビクンと体を震わせそれに悶える時間の始まりだ アキに問われてそれにコクコクと何度も頷くと、機嫌よさそうに微笑んで手を速める それがまた新しい快感を生んで、口から漏れる声が止まらない 「んっ、ぁ……あきっ……だめ、だめっ…」 「ん、これ好き?」 「だめっ……それだめ……ッ、あっ」 さっきからずっと、はじめての快感ばかりだ 誰かのものと一緒に擦られるなんて、こんなの体験済みじゃそれこそ可笑しいかもしれないけど 生理的な涙が浮かびその目でアキを見つめると、アキは嬉しそうに笑って頬にちゅっとキスをしてくる 「ぁあン!あ、あきぃ…っ、んぁっ!んんっ!」 「っは………翔………………っ」 「はぁんっ……や、だめっ…イク、いくっ…」 「オレも、イきそ……………っ」 上機嫌のアキがいやらしく笑うと、更に手を速めて激しくでも繊細に扱き出す アキのものと俺のものが擦れて気持ちよくて、さっきイったばかりなのにもう射精してしまいそうだ だめっ、さっきイッたのに…………っ 「んっ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」 「っ………………!」 結局アキから与えられる快感に耐えられず、俺は2度目の射精をした ぎゅっと目を瞑って腰をぎゅっと反らせ、また小刻みに精液を噴き出す アキも俺とほぼ同時にイったようで、力のこもった低い声が俺の耳に届く どちらのものかもわからない精液が俺とアキの体を汚した や、やば………またイッちゃった…………… 「はぁ、っ………はぁ………」 アキの胸に体を預けるようにしながらはふはふと浅く呼吸をする しばらく呼吸を整えると、アキがまた深くキスをしてくる だけどアキのキスを受けながら、俺は再び下半身に違和感を覚えた 「な、なんでっ……また、」 さっき出したはずなのに、俺のものはまた頭を上げ始めている だがそれは俺のだけではない アキのものも同様、みるみる大きくなっていく 嘘っ………こんなこと、普段ならないのに…… 俺、変になっちゃったのかな………っ 「アキ、あきっ……おれまたっ………」 「ん、大丈夫、オレも一緒だぜ?」 そう言ってアキは俺をゆっくりとベッドに押し倒し跨った 俺は柔らかいマットレスに背中を預けて、涙目でアキに助けを求めることしかできない するとアキの腕が俺の頭を包み込むように撫でる おでことおでこをコツンと合わせ、そして俺の唇に柔らかくキスをする 「オレ、翔が好きだよ」 「んっ、ン……っ、あっ………………」 「翔とひとつになりたい」 どんどん唇が下に降りて、首や喉、鎖骨や胸に小さなキスを落としていく 感じたことのないチクリとした痛みもすぐに快感へと変わる 「翔のはじめてが全部欲しい」 アキの真剣な瞳が俺をまっすぐに見つめた その薄い唇から溢れる言葉が恥ずかしくて堪らないはずなのに、心の底から嬉しく感じてしまう だめだ、こんなの 拒むなんて出来るわけないじゃん………… アキにだったら…………… アキにだったら俺のはじめて、全部もらって欲しい 「………おれも、すき……………っ」 アキの首に腕を回して上体を起こすと、俺に甘くて優しい言葉をたくさんくれる愛しい唇に柔らかく口付けた この日はじめて、俺は自分からアキにキスをした

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