「あんっ、や…ぅアっ…は…んんッ、あっ、」 「少し慣れてきたか？」 「っや、わかんな…んぁあ！アっ、あっん…」 ずちゅ、ずちゅっと肌がぶつかる音が広い部屋に響く アキのものが俺の中を出たり入ったりするたびに、口からは自分のものとは思えない声が飛び出す それを無意識に抑えようとすると、アキに腰をくすぐられて許してすらもらえない 中を擦られるたびにビリビリと快感が押し寄せ、腰が浮く 「ひぁ、アッ…んっ、あっ、あっ……ッ」 「はっ…………ッ」 「ぅあっ………んっ、んっんっ……ッ」 「腰触られるの好き？」 アキの背中に必死につかまり、快感に悶える 俺を抱くアキの腕がするすると腰を撫でまた新しい快感を生む 器用に腰から下だけを動かしてパンッ、パンッと俺のお尻にぶつかるアキ 少しだけ目線を下に寄越すと確かに俺のお尻の穴をアキの太くて大きいものが出たり入ったり繰り返している その度に泡立ったローションがぐちゅっと泡立って妙にいやらしい音を鳴らす 俺、本当にアキとセックスしてる…………っ アキに体を揺さぶられる度にぷるぷると揺れる俺のものから、とろとろと色の薄い液体が溢れる 完全に勃起してしまったそれは、アキが奥を突く度に先端からぴゅっと液体を飛ばす するとイきそうになっているのを察したのか、アキがそれを優しく握り上下に扱き出す やばいっっ………！また出ちゃいそう………っ！！！ 「あ、あきっ…だめっ、あっあっ……っひぁあああ！！」 そう思った瞬間、今までとは比べ物にならないくらいの快感が体中を駆け巡った 目の奥がチカチカと点滅して一時的に視界が真っ白になる なっ、なに今の…………っ 混乱する頭を必死に働かせちらりと俺とアキの体の間にある俺のものを見てみると、べっとりと半透明の液体が体を汚していた えっ………俺、今イった…………？ 「ここ、さっき気持ちよかったろ？」 「っあああ！！ひっ、な、なにっ…ッや、あっん！」 「前立腺、ほら、分かる？」 「アッ！あっあっあっ、だめっ、ここ、へんっ」 伏せていた目をアキに向けると、アキはニヤッといやらしく笑って俺のお腹の上を指先でなぞる そしてまた腰を振り始め、それなりのスピードのピストンを再開する 前立腺目掛けて何度も何度もアキのものが勢いよく打ち込まれる そのたびにさっきの激しい快感が体中を高速で駆け巡り、俺に自我を忘れさせる 「あ゛ッ……ぅ、だめっ、それっ、んんッ…！」 「すっげ………中超締まった……っ」 「あっあっあっあっ……ンっ、ぅあっ……！」 「気持ちよくなってきただろ？」 ずちゅっ、ずちゅっと卑猥な音を立てながら的確に前立腺を狙われて続ける その度に脳内麻薬みたいなものがどばっと分泌されて、俺をおかしくしていく なにこれっ、セックスって…………… こんなにキモチイイの…………っ！？ パンッパンッとアキが腰を打ち付ける速度を上げる 激しく抜き挿しされるアキのそれが俺の中の細胞を次々に削る アキの顔からぽたりと汗が流れ落ちてくる それが俺の涙と偶然繋がって大きな粒となり頬を伝って落ちていく 「あぅっ……あっ、んっんっ……！ぅあッ…！」 「………っ、ほんっと、エロすぎっ………」 「ンっ、んんっ……アっ、あンッ……ひぁ…っ」 「翔、すげえ可愛い」 だめっ、これ…めちゃくちゃキモチイイっ！！ アキの言った“可愛い”も耳に届くことはなく右から左へ流れていく 本当は可愛くないから、って否定する所だがそんなことする余裕なんて俺にはない 気付いた時には最初の痛みも忘れて、俺はアキの動きに合わせて自ら腰を揺らしていた 余裕のない表情を浮かべるアキが普段より一段とかっこよく見える アキのこんな表情を見られるのは、今は俺だけなんだって思ったら嬉しくなる 今までもアキのこの表情を見てきた女の人はたくさんいると思う きっとこの部屋で、このベッドで違う誰かを抱いたことだってあるのだろう 過去のことに口を出すつもりなんてない むしろ急に横から入ってみんなの人気者を奪った悪者はこの俺だ だけどそれでも俺の心のどこかにある独占欲は、アキの過去にだってやきもちを焼く 「翔、しょうっ……好き、好き………ッ」 「あ、きっ………あきッ……ん、んん…っ」 「好きだよ、すげえ好き………っ」 「んっ、すきっ……おれもっ、すきっ……！」 そんな俺の心を読んだのかそうじゃないのか、アキは俺にまたたくさんの“好き”をくれる 必死になってお返しをすると、俺を抱く腕にぎゅっと力がこもる ほら、アキはそうだ 俺が少しでも不安になったりすると、それを読み取るのかすぐに好きだと言って上書きしてくれる きっとアキは、俺の心を読み取る超能力者なんだ 「な、オレ、絶対別れないから」 「へっ………？」 「死んでも翔のこと離さないから」 不意に動きを止めて、じっと見つめて俺にそう告げる 重いだろ、と言ってはにかむアキ ぽかんと口を開けたまま固まる俺の濡れた髪を、アキがそっと耳に掛ける 気付くとまた涙がじんわりと滲んできていて、唇が震え出す アキの重たい愛が、身に染みた 自分はそれなりに淡白な男だと思っていたが多分違った 重い愛を欲しがって、俺のもきっと重かった きっと普段は恥ずかしがって口に出して“欲しい”だなんて言えないけど、俺はアキの重い愛が欲しかったんだ そして今、そんなアキと想い合うことができて、涙が出るほど嬉しかったんだ 「ばか…………っ、重すぎだ……っ」 「はは、覚悟しろよな、絶対離してやんないから」 ぎゅーっと強く抱きしめられる そしてじゃれ合うようにお互いの体に触れ、たまにくすぐり合ったりして笑い合う アキは俺の目の端に残った涙の粒を親指でぐっと拭うと、またにっこりと笑っておでこをくっ付けてくる 今日だけで、色んな新しいアキを知れた 思ったことをすぐに口に出すこと 俺の心を読む超能力を持っていること 事あるごとにキスをしてくること 実はおでこをくっ付けるのが好きなこと エッチがすごく上手いこと あと、ちょっとSなこと 俺の心を取り巻いていた過去への醜い気持ちはどこかへ消えていた アキと今一緒にいるのは俺で アキが今好きなのは俺だから そう思えるようになった俺は きっと今日ひとつ大人になった