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ありがとう

「ンッ、んんんっ、ん〜〜〜〜〜ッ!!!!」 「ッ……………………!!!」 深く口付けながらふたり同時に達した 翔のものからはかなり色味の薄くなったサラサラの精液がぴゅぴゅっと小刻みに飛び散り自分の腹を汚す オレの精液は翔の中にびゅーびゅー音を立ててものすごい勢いで直接吐き出ししっかりと種を残す そこで翔はぱたりと意識を失った 繋がっていた唇がそっと離れ、ベッドに身を預けている オレは翔と繋がっている自身をゆっくりと抜く ゴムもせずに思いっ切り中出ししてしまったオレの大量の精液が後ろの穴からとろとろと溢れ出る そんなことも知らずに翔は、涎の垂れる半開きの口からすぅすぅと心なしか穏やかな寝息を立てている すやすやと眠る翔の顔は少し幼げで、思わず閉じられたまぶたにキスをする 「お疲れ様、ありがとうな」 ぐっすりと眠る翔の髪を撫で、ベッドのオレから見て右側に翔を寝かせ直す そしておでこに柔らかくキスを落とし翔の体にタオルケットを掛けると、後処理をするべく立ち上がった いまだに硬く勃起したままの自身をぶらつかせ、洗面所に向かう オレの性処理なんて後回しだ まずは翔の腹の中を綺麗にしてやらないと 洗面器にぬるま湯を入れ白いタオルを濡らして絞る もう一枚乾いたタオルを持って洗面所を出て、愛しい恋人の眠る場所へと向かう 「ふふ、ぐっすり寝てんの………」 「んん……………」 「え、ちょっ、なにそれ可愛い」 ぐっすりと眠る翔の顔を優しく撫で、試しにそのふんわりとした唇に指で触れてみる すると翔がオレの指をぱくんと咥え、ちゅうちゅうとまるで赤ちゃんみたいに吸い出す 思わずときめいてしまい、また自身が硬さを増す ギンギンと反り勃って痛みを伴うオレのものを今すぐ扱いて解き放ちたいが、今はまず翔だ 慌てて翔の口から指を抜き、後処理に専念する 「ごめんなー……ちょっと触るな……?」 「……っ、んん……………」 寝ている翔を起こさないよう小さな声で囁き、ゆっくりと翔の脚を開かせた 少し声を出す翔だが今のところ起きる気配はなさそうだ そんな翔の後ろの穴に、ローションで濡らした自身の指を2本ほど埋める そして中にある精液をゆっくりと指で掻き出していく 「ん、ん………………っ」 「ごめんな、すぐ終わるからな」 少し眉間にしわを寄せ口を尖らせる翔 いまだ起きる気配はないが、少し気持ち悪そうだ そんな翔の髪を残った方の手でそっと撫でると、次第に眉間のしわが消えてまた穏やかに眠る ふぅと安堵し、奥の方まで指を進ませる 本当は中出しなんてする気はなかった 興奮のあまりゴムを着けずに挿入してしまったことはオレの反省点だが、それでも外に出そうとした だが翔にあんなことを言われたら……… 普段はうるさい、ばか、なんて言って照れ隠しをする翔がオレを欲しがってくれたんだ それにベッドの上での翔はいつもより素直で、それでいて色っぽくて 先程の翔との行為を思い出して、思わず頬が緩む ビクビクとまた硬くなる自身を落ち着かせようと試みるが、オレはまだきっと興奮状態の中にいるのだろう 「よし、完璧」 「……………んん……」 「ごめんな、ゆっくり寝ててな」 翔の中にあったオレの種がほぼ全て掻き出されたのを確認し、そっと指を抜く そして体を濡らしたタオルで綺麗に拭き上げると、完全に最初の状態へと戻る 仕上げにクローゼットから取り出したTシャツと下着を着せ、翔にキスをしてオレは部屋を出た ああどうしよう、夢みたいだ いや、もしかしたらこれはオレの長い夢じゃないだろうか 「あ………いたたた……」 風呂場へ向かう途中、ふとそう思い試しに自分の頬をそれなりの強さで引っ張ってみるとかなり痛い だがそんなじんじんと痛む頬が嬉しくて、オレは赤くなった左の頬に手を当てて微笑む 夢にまでみた、翔とのセックス 翔がオレに、抱かせてくれた とにかく幸せで気持ちよくて、翔に甘えてもらえてもっと幸せだった 洗面器に入ったぬるま湯を流し、そのままバスルームへと踏み込む そして頭からシャワーを浴び、翔との行為の余韻に浸る 「っはー………………」 目を瞑り深く息を吐くと、翔のあられもない姿が浮かんでくる そんな翔を思い浮かべながら、オレは反り勃った自分のものに手を掛けおもむろに扱き出す 夢で見たよりずっと綺麗な翔の体 肌は同じ男とは思えない程にすべすべで、どこに触れても可愛らしく声を上げた 傷ひとつないその体は、きっと大事に大事に育てられた証拠だとオレは思う 案の定お尻は大きかったが、華奢な体格の割にむっちりと肉の付いた太ももにも興奮した いつか膝枕してもらおう、なんて新たな野望も出来た 制服じゃ分からなかった翔の特徴が知れて、嬉しかった 「っ……………!」 しばらくすると一発目がオレのものからびゅっと噴き出し壁を汚す だが息つく暇もなくまたそれは硬くなり、オレはそれを慣れたように再び扱いて刺激した それから何度かそこで出して、体を洗い流してバスルームを後にした リビングのベッドに戻ると、翔はタオルケットをぎゅっと握りしめすやすやと眠っていた やっぱり口が少し緩いようで、口の端からはたらりとよだれが垂れている 「ふふ、かわいーの」 「んん……………」 それを試しに親指で拭ってみると、タオルケットを猫みたいに蹴って難しそうな顔をする そんな眉間のしわを消すように指先で擦ってみると、また穏やかな顔に戻り口を開けて眠る 愛しい愛しい、オレの恋人 そんな恋人の隣に寝転がり肘を付いて可愛い寝顔をじっと見つめる そして細い体に触れて抱き寄せてみると、翔はずりずりと近付いてオレの胸に頬を寄せてくれた 「ありがとな、翔………」 翔、ありがとな こんなオレのわがままに付き合ってくれて 優しくするって言ったのに、激しくしちまってごめんな 明日の朝目が覚めたら、オレの隣には翔がいるんだよな オレ、それだけで嬉しいよ 翔、大好きだよ 時計を見ると、夜の12時を過ぎ日付が変わっていた 翔、今日で付き合って1ヶ月だな オレさ、こんな風に誰かと付き合った記念日を祝いたくなったのはじめてなんだ 翔が知らないだけで、昨日はオレにとってはじめてのことばかりだったんだぜ この部屋に誰かを呼んだのも このベッドで誰かを抱いたのも 全部全部、翔がはじめてなんだよ 1ヶ月手を出さないってルールは達成目前で破っちまったけど でも許して、くれるよな……………?

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