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癒しパワー
アキが履いているズボンのポケットから1枚のコンドームを取り出す
なぜ制服のポッケの中にコンドームが入っているかは、今は野暮なので聞かない
そしてパッケージを口で噛み開けると、慣れた手つきで薄くて大きなゴムを自身のものに被せていく
「翔、そろそろイイか?」
「んっ…………」
「ん、ゆっくり息してな?」
「んっんっ……………」
コンドームを一度パチンと弾きそれがしっかり装着されたのを確認すると、アキの優しい瞳が俺に向けられる
俺の髪をふんわりとした手つきで優しく撫で、肩の力を抜かせてくれる
俺がアキの問い掛けに頷くと、ゴム製の服を着たアキのものが俺の濡れた穴にぴとりと当てられた
あ……………くる………………………っ
「んッ……あっ、ぅああああっ……………」
「っ……………」
「ぅ、あっ、あああッ……………」
「翔、少し力抜こうな……っ」
アキの指で十分に解されたアナルに、指3本分よりずっと太いものが押し込まれていく
奥に進められる度にぐちゅりと品のない音が立つ
アキに腰をさすられて、ふうふうと息を吐きながら必死に体の力を抜く
痛くはないが、それでもまだ入れる時は強い違和感を感じることの方が多い
「ふぅ………っ、ん、んんっ……」
「そ、ゆっくり力抜いてな」
「ふ……はぁ…っ、ん、ンッ………」
「ん、上手」
長くて太いものは、俺の奥に届くまでで一苦労だ
だけどその間もアキは、さっきまでの意地悪モードとは一変、完全に甘やかしモードで俺の体を優しく撫でてくれる
アキの温かくて大きな手
そんな手に触れられるだけで、俺の心は満たされていく
心が満たされると自然と体の力が抜けていき、その隙を狙ってなのかアキのものが一気に奥まで挿入され俺の奥の壁にとんっと先端がぶつかるのを感じ取る
「おく………っ、きた……っ」
「そ、ここまで来てるんだぜ」
「んっ………ここ、あつい………」
アキにとんとんとつつかれたお腹に手を当てて、そこをゆっくりと撫でてみる
ほんの少しだけぽこっとお腹が出っ張っているような感触もする
またアキの、入っちゃった……………
もう全然痛くないなあ……………
「あっ…………ぁ、あっ………」
「ほら、リラックスして」
「ん……っ…………ぎゅってして……っ」
「もう、すげえ可愛いんだけど」
穴がアキの形に馴染むまで、ゆらゆらとゆっくり揺すられるのみ
だけどそんな刺激も気持ちよくて、俺の口からは小さく声が漏れる
手持ち無沙汰な両腕をアキに差し出しハグを求める
するとアキは優しく微笑んで俺の腕を取り上げ、自身の背中にぐるりと回させた
ヒョロ長い腕をぎゅっと大きな背中に回すと、少し汗ばんでぺたぺたしている
そんな汗ばんだ肌もアキだとなぜだかカッコよくて、俺はアキにぎゅっとしがみつく
「ん………んっ……………」
「少し楽になって来たか?」
「んっ…………おれいたく、ないよ……」
「ん、よかった」
未だにゆるゆるとゆっくり腰を揺らされるのみ
浅く出入りするそれが、時折どくんと脈を打つような感覚が体に伝わる
アキに痛くないことを伝えると、アキは穏やかに微笑んでおでこにちゅっと短くキスをくれる
アキが言った通りの“エッチセラピー”
まるで温泉にでも浸かっているかのように心も体も癒されていく
俺たちのセックスって本来は性欲を満たして愛し合うためだけのものなのに、こんな癒し効果があったなんてびっくりだ
お尻の穴をあんなに拡げられているのに、むしろそれすら心地が良い
「ん…………きもちぃ………っ」
「ふふ、本当?癒されてる?」
「んっ………ふわふわする……………」
頭のネジが外れた、と言うよりは癒されたおかげで反抗心やその他の色々なものが浄化されて一時的に消え去ったと表現する方が近いだろう
アキの問い掛けに素直に頷くと、また優しい笑顔を向けられてますます心が浄化される
だけどそろそろ、アキだって辛いはず
もう15分近くこの状態だし、俺の中ではアキのものがずっとビクンビクンと脈を打っている
俺はもうたくさん癒されたから、だからアキも……
「アキ………おく、とんとんして……っ」
「お、もういいの?」
「んっ…………きて………っ」
「ん、きつかったら言ってな?」
腰をぐりぐりと揺らしアキを誘惑する
するとアキが体を起こし、そして一度前髪をガバッと掻き上げると俺の腰を掴んだ
そして長かった我慢を解放するように、パンパンと腰を打ち付け始める
「んっ……あっあっ……ぅ、あぁッ…」
「っは…………はッ……」
「あぁっ……ん、んンッ……ぅ、ああ…っ」
「っ……………やっべェ……」
さっきの優しく穏やかだった雰囲気とはまた一変したアキが、俺のお尻を激しく犯していく
ずぼっ、ずぼっと大きく出入りするそれは太い血管を巡らせて時折ドクンと脈を打つ
あ……………やば………………っ
ずぼずぼするの、激しくなってきた…………っ
ちらりとアキの顔を見上げると、俺が見ていることに気付いていないのかアキは少し余裕の無さそうな顔で短く息を吐いている
そんなアキを見て、アキが俺のためにずっと我慢して待っていてくれたことに改めて気付く
それと同時に普段はなかなか見られない素っぽいアキをカッコよく感じる
手を伸ばしてアキの腕にちょこんと触れると、パッと表情を変えて今度は優しく微笑みかけてくれる
「ふふ、すげえ見てくるじゃん」
「んっ……だってっ…………」
「ん?見惚れちゃった?」
「ぅ………あぅ…………っ」
「あはは、否定しねえんだ」
さっきのクールな雰囲気を消した目の前の男前が、冗談っぽくそう言ってくる
図星だったことで上手く否定することが出来ずにいると、アキは嬉しそうに目を細める
そしてご機嫌そうな顔をして俺の頬に手の甲を添わせ、むちゅっと深めのキスを降らせた
いつもは体力を削りながらするエッチ
だけど今日は、なんだかいつもと違う気分だ
きっとこれもアキの癒しパワーのおかげだと思うと、目の前の恋人がますます愛しく感じた
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