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夜の特訓

アキが風呂から上がると俺も続いて風呂に入った そして手っ取り早く全身を洗ってものの10分程度で風呂を上がると、俺はドライヤーとゲーム機を持って自室へ戻った 自室へ戻ると上半身裸姿のアキがベッドに座っており、漫画をぺらぺらとめくっている やはり俺のTシャツはアキには小さかったようだ 「おっ、おかえり」 「た、ただいま…………」 「こっち来て、だっこしたい」 「……だめ、また見られたらどうすんだよ」 俺が戻ってくるなりアキは持っていた漫画を置くと俺に向かって両手を広げる そして甘えるような声でそう強請るが、俺はそれを拒否してゲーム機を自室の小さいテレビに繋ぐ 俺の後ろでぶーといじけるアキ だが俺の手にあるものがゲーム機だと気付くと、何だか物珍しそうな顔をしながら近寄って来た 「な、これどんなゲームだ?」 「これは格闘ゲーム、したことある?」 「ない」 「一緒にやってみる?」 「お、いいのか?やるやる!」 俺が持ってきたのは姉ちゃんともよく遊ぶ格闘ゲーム いつもいつも姉ちゃんに負かされてばかりなので、ここ最近は時間があると1人で特訓している そんな夜の特訓にアキも誘ってみると、案外ノリノリの男 どうやら今までゲームとは無縁の生活を送って来たらしく、特にテレビゲームには凄く関心があるようだ また新しいおもちゃを手に入れた大型犬のように俺にしか見えないしっぽをぶんぶんと振っている 「はい、コントローラーな」 「うわ、ボタン多」 「普通だって、操作はな………」 アキにコントローラーを持たせると、何だかコントローラーがやけに小さく見える それに少し可笑しく思いながら簡単な操作を教えると、アキはそれを真剣に聞きその大きな指で小さなボタンを押している うわ…………俺の家でアキと一緒にゲームしてる……… 何かいつもと違いすぎて、現実じゃないみたいだ…… これはこれで、普通の男子高校生みたいで楽しい いや、よく考えてみれば俺は普通の男子高校生なんだけどさ 「わ、アキ結構上手いじゃん」 「お、そうか?あっ、これはどうすんだ?」 「これはな、ここ押して……」 「こうか!」 まずはコンピューターの敵相手に技の試し打ちをさせてみる アキの選んだゴリゴリマッチョの格闘家キャラを選択し隣で操作を教えながらゲームに慣れさせていく アキは今までテレビゲームの経験がないながらに、そのセンスはかなりのもののよう やはり料理やその他の細かいこと以外に関しては割とチートレベルで器用なようで、俺は初デートの日のUFOキャッチャーを思い出す 「対戦してみる?」 「いいな!負けた方罰ゲームにしようぜ!」 「お前はじめてなのにいいの?」 「いーの!こういうのあった方が盛り上がるだろ?」 アキからの罰ゲームの提案 俺は別に負ける気もしないのでそれを容易に了承する そして俺が勝ったらアキにデコピン アキが俺に勝ったらこちょこちょの罰ゲームをすると事前に決めた なんでもアキは俺に痛いことをしたくないそう 「よし、じゃあ一回戦な」 「ん、負けねえぞ!」 「はは、どうかな」 それから俺たちの、夜の特訓が始まった 「げ、負けた…………」 「よっしゃーっ!やっと勝てたっ!」 「お、俺の連勝記録が………」 「はい翔、くすぐりの刑な」 それから約1時間 髪を乾かすことも忘れた俺たちはベッドの上に並んでゲームに熱中し、激しい戦いを重ねていた そしてついに、連勝だった俺がはじめてアキに敗北する 今まで8戦、アキに勝利し必ずデコピンを食らわせてきたのにここに来て負けるなんて…… 普段からかなりやり込んでいるはずなのに、もう負けるなんて……… 「はい、ごろんして」 「なっ……うわっ!」 「いくぞ、こちょこちょ攻撃〜!」 「あっ、ヒっ…んふ、んははっ、ちょっ…」 そう俺がショックを受け固まっている間に、アキはあっという間に俺をベッドに寝転ばせる そしてTシャツの上から脇腹をくすぐり始め、俺はすぐさま笑い出す 気付くとアキもベッドに乗り上げ俺に跨っているような状態 目を開くと目の前の男前な顔は無邪気に笑っているが、そんな可愛い顔に触れることもままならないほどのくすぐったさが俺を襲う 「あはっ、ちょ……っ、んひひ、あはっ、んんっ」 「翔やっぱ敏感」 「あっ……ン、ちょっ、と……んンッ…」 「んー?」 だがそんなくすぐったさは、次第にただの快感へと変わって来た 俺の脇腹をくすぐっていたアキの手は、いつしか服の中へと忍び込まされ肌をするりと撫でている そして腰のラインを指先でなぞるように焦らし、ゆっくりと脚を開かせる あ、あれ…………… 何かちょっと、エッチな空気に………………

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