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注:実家です
「翔、しー、な?」
「んっんっ……………」
「これ咥えてて」
「んむっ……」
薄暗い六畳間
俺とアキは、共に同じベッドの中に潜り込んでいる
いつものクイーンサイズとは違う、シングルサイズの狭くて高くもない普通のベッドだ
少し跳ねればぎしりと音を立てるのも、むしろ普通
そんな普通の男子高校生の部屋では、普通とは言い難い行為が開始されようとしている所だった
ぺたりとベッドにうつ伏せになり、ほんの少しだけお尻をキュッと上げる
すると俺の履いていたショートパンツを下着と一緒にずり下ろしたアキが、むっちりとした分厚い肉に触れてくる
そんな刺激に時折声を漏らしてしまう俺は、アキの指示で着ているTシャツのたくし上げた裾を噛む
「お、保湿クリーム、これ借りるな」
「ん、んッ………………」
「ここ広げるから、少し声我慢な」
「んっんっ…………!」
ベッドの棚に置いていた薬用の保湿クリームを見つけ手に取るアキ
そのクリームは言わずもがな俺のアナルの表面へと塗られ、そこを滑らかにする役割を努める
う、うわ……………
本当に実家で、アキとするんだ…………っ
隣に姉ちゃんいるのにアキとエッチしちゃうんだ、俺……
本当なら震え上がるほどの恐怖でしかない
人に行為を見られる可能性があることなんて、平凡な俺にはあまりにもアブノーマルすぎる
だけど心のどこかで、この見つかるかもしれないスリルが興奮へと変わっているような気もしてしまう
「ぅんンッ………ん、んんっ……………」
「この間もたくさんシたからまだ少し柔らかいな」
「あぅ……っ、やっ…はずかし…………っ」
「あ、口離しちゃったか」
「んむッ………」
そしてその保湿クリームを潤滑剤代わりに挿入されるアキの太い指
ここ最近2、3日に一度くらいの頻度で致しているからか、俺のそこはアキの指を余裕で2本も飲み込んでしまう
俺は羞恥から思わず口に咥えていた服の裾を離してしまう
するとアキは俺の体をひっくり返して仰向けにし、裾の代わりにキスで唇を塞いでくれる
いつもと違う、薄暗い部屋
普段は明るい部屋でアキに抱かれていたので、もちろん目の前の恋人の顔もよく見えた
だけど今日はよく見えないアキの顔
それがキスをすることによって、本当にアキに抱かれていることの証明書になる
「んッ、んんっ………ぅ、ン…っ、ぷはっ……」
「チューすんの好き?中きゅってなった」
「ん………もっかい……」
「んふふ、何回でもするよ」
そんなアキのキスが気持ちよくて、俺は唇を離された途端に二度目も要求
俺の要求に喜んで答えてくれるアキに、二度目のディープキスをもらう
ねっとりとしたキスと巧みな指使いは俺の体を痺れさせ、自然と腰を揺らしてしまう
それに気付いたアキがまた嬉しそうに唇に吸い付き、ちゅぱちゅぱと唾液を交換する
するとそんな中、壁の向こうからカタンと物音が聞こえた
「あっ…………」
「翔、しー……………」
「んっんっ…………」
隣の部屋は俺の姉みさきの部屋だ
時間もまだそんなに遅くはないし、陽キャでパリピな姉が夜更かしをしないわけがない
きっとまだ、起きて何かをやっているはずだ
そんな姉に俺たちが致していることがバレないよう、揃って咄嗟に声を抑えた
そしてまるで眠っているかのように静かなふりをして、隣から物音が止むのを待つ
それからしばらくして隣の部屋から鳴っていた物音が止み、やがて扉が開く音と廊下をぺたぺたと歩く足音が聞こえた
きっとまだお風呂に入っていなかったんだ
多分姉ちゃんは、お風呂に入りに行ったんだろう
「バレないようにシような」
「んっ………ゆっくり、入れて…………っ」
「少し待っててな、着けるから」
「…………うん…………………」
そう踏んだ俺たちは、その隙を挿入のチャンスと考え体勢を変えた
アキが入れやすいように俺はぺたりとうつ伏せになり、アキは財布から取り出したコンドームを自身の熱り勃ったものに装着する
アキがコンドームを着けることに対して、少しだけ残念に思ってしまったなんてことはない、本当の本当に
「翔、チンポ入れるぜ?」
「んっ………きて………………ッ」
「また裾噛めるか?入れる時声出ちゃうだろ?」
「んッ…………」
そしてうつ伏せの俺に覆い被さるようにアキの大きな体が重なる
少しだけ角度を調整するようにキュッと腰を引き寄せられ、所謂寝バックの体勢を取らされる
俺はアキの言う通り服の裾を再び咥え、声を強制的に抑えるよう試みる
そして静かな空間でぴたりとそれを当てがわれた
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