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運命とは奇なり⑥

「ああムカつく!!」 何なんだあの男は!! しかもあれが運命の相手だ。 いや、そんなことは認めない。 食堂に着いた蘭は空いている席を探す。 既に食べ終えた生徒も沢山いて席を探すのには苦労はしないが端っこの席に尚と戸倉を見つけどうしようか迷っていた。 すると尚が蘭に気付いておいでと手を振ったから蘭はホッとしたように二人の元へ向かった。 「あの……」 「ごめんね蘭君。」 「え?」 「折角庇ってくれたのに自分の保身ばかり気にして……。」 「僕もごめん、九条君には九条君の考えもあるんだよね。 なのにβの僕が何も知らず言い過ぎた。」 二人共蘭に冷たい態度を取ってしまったと反省し謝罪した。 蘭はまさか謝って貰うとは思わず驚きとまた一緒にいられることに安堵して涙が滲んだ。 「お、俺も、後先考えずにごめん。 あのさ、これからも仲良くしてくれる?」 「「勿論。」」 無事仲直り出来た所で蘭は残り少ない昼休みに慌てて食事を取る。 「……そう言えば蘭君、何処に行ってたの? 見当たらなかったから先に食べちゃってたんだ。ごめんね。」 「いや、校舎裏に……。」 「ねぇ、それより九条君顔赤いけどどうしたの?」 「え?」 戸倉に様子が変だと指摘された蘭。 そう言えば体が熱いし下半身がなんだか…… まさかあのαに発情? 実は蘭、今まで一度も発情期が来たことがなかった。 蘭は二人に発情が来てしまったかもと伝えると慌てて蘭を発情期のΩ専用の部屋まで連れて行った。 その頃にはもう、肩を触れられただけで達してしまいそうな程に発情していた。 戸倉はこの部屋に常備してある抑制剤の錠剤を蘭に飲ませ治まるのを待つ間昼休みも終わり 二人は一旦授業に戻った。

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