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止めどなき愛

性別、性格、家柄、と色々難題の多い事柄ではあるが、高嶺礼司を知ることも良い事ではないかとも思う。 だが、あんな険悪な態度を互いに取ってしまったがために二人が接触することもなく…… 「じゃあ、またね。」 「うん、また。」 高校生になって初めての大型連休のゴールデンウィーク。 蘭も実家に帰ることとなった。 迎えに来た陽介が運転する車で実家へと向かう。 「ただいま!!」 「お帰りなさいませ蘭様。」 玄関に着くと雫が出迎えた。 「母様たちは?」 「希一様は施設に、今から陽介が迎えに行く予定です。」 施設とはΩ支援の為の施設で、身寄りの無い子供達や就職のサポート、またはシェルターの役割を持つ場所だ。 母、希一はそこでボランティアとしてサポートしており、今から陽介が希一をまた車で迎えに行くらしく後は雫に任せ再び車を走らせる。 忙しいな。 「姉様は?」 「玲香様は……」 「お帰り蘭。」 雫の言葉に被せるように彼の後ろから長く美しい髪を一つに纏めた姉が出てきた。 「姉様!!」 「疲れただろ? おいで。」 大学生の姉、玲香に肩を抱かれながら家の中に入る。 因みに兄二人は今年から社長である父の会社に入社しており、現在も仕事中らしい。 「それで、どうなんだ学校は?」 雫が紅茶を淹れるキッチンの前のテーブルで玲香が蘭に聞いてくる。 「うん。別に問題ないよ。 友達も出来たし。」 「そう。何もないならいい。 ただ、彼処はαの巣窟だ。 分かってると思うが、呉々も気を付けなさい。」 「分かってるよ。大丈夫。」 6歳年の離れた姉はまるでもう一人の母親のように蘭に接する。 小さな頃からそうだ。 歳が少し離れてるせいか、喧嘩もなく可愛がってくれる。 玲香と話している内に希一と陽介も帰ってきた。

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