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止めどなき愛③

兄二人を差し置いて玲香は蘭を連れ、風呂へとやって来た。 広々とした風呂場はまるで温泉だ。 「蘭、頭洗ってやろうか?」 玲香はおいでとシャワーを片手に手招きするが蘭はそこまで子供じゃないと断った。 「なんだ、つまらない。」 クスリと笑った玲香は仕方ないと自分の頭にシャワーをかける。 長い手足に170㎝ある長身に豊満な胸。 美人な彼女はモデルをやれそうだが、本人は興味は無いらしい。 そしてそんな彼女と一緒に風呂に入っている蘭はきっと世の男性から死ぬほど羨ましがられるだろう。 しかし蘭は彼女の身体を見ても何も思わなかった。 幼い頃から一緒に入っているためかそれが当たり前になっている。 広い湯船に浸かってぼーっと姉を見つめる蘭は、そう言えば発情期が来たことを家族の誰にも知らせてないことに気が付く。 「あのさ、姉様……」 「ん?」 「俺、学校で発情期来たんだけど……」 そう言うと玲香は頭から被っていたシャワーを止め驚いたように蘭に目線を移した。 「聞いてないぞ。」 「今言った。 母様たちにもまだ。」 玲香は一つため息をつくとまだトリートメントの残る髪を再び洗い流し、浴槽にいる蘭の前へ大きな胸をゆっさゆっさと揺らしながらやって来た。 「それで、誰にも襲われて無いだろうな?」 「お、襲われて無いよ。」 「そう。ならいい。 全くお前は、重要なことを言わないで……」 「ごめん…… でさ、その事なんだけど……」 蘭は高嶺礼司の事は伏せて、普通の抑制剤が効かず副作用の強い抑制剤を打ってキツい事や養護教諭から番を作った方が楽だと言われたことなどを打ち明ける。 するとみるみる内に姉の表情が険しくなる。 「あの、姉……様……?」 「はぁ……全くお前は!! 何故それを早く言わない? 兎に角父様、お祖父様にも相談した方がいいな。 このまま学校に返して大丈夫か? 勢いで変な番なんか作ろうもんなら……」 後半ぶつぶつと独り言のように呟き始めた。 なんか、マズいことになったと蘭は取り敢えず浴槽から出て頭を洗い始めた。

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