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止めどなき愛④
何なんだこれは……
蘭は目の前で繰り広げられる家族会議に面倒なことになったと思った。
「副作用のある抑制剤しか効かないなら学校に戻すのは危険すぎる。」
「番を作ればヒートは弱くなって普通の抑制剤が効くようになるようだけど、その為だけに番を作って相手の蘭への愛がなければ、私は犯罪を犯す覚悟はある。」
「まぁ、取り敢えずもっといい抑制剤の開発するとして、それまであまりにも時間が掛かりすぎる。
しかもうちだってαばっかなんだし、フェロモンに理性を失くす事だって考えられる。」
「ならいっそ俺が蘭の番にする!!
俺なら幸せにしてやれる!!」
「アホか!!兄弟だぞ?
それは流石に蘭が可哀想だろ!!」
蘭の発情抑制剤問題にかれこれ2時間は話し合いが行われている。
しかし、未だ結論には至っていない。
このままでは朝まで掛かってしまうのではと蘭はそっと手を挙げた。
「あの……俺副作用あってもちゃんと抑制剤は使うから。
番とか作らないから大丈夫。」
延々とこの話題ばかりされても正直疲れてしまう。
一旦ここでこの話は終わらせようとしたのだが……
「何言っている?
それじゃお前がツラいだけじゃないか!?
我慢なんてするもんじゃないぞ?」
瑠依がそう言うと皆同意し、再び話し合いが始まり蘭はもういいやと先に寝ることにした。
階段で二階に上がった所で兄二人が追いかけてきた。
「蘭、寝るなら俺の部屋な。」
瑠依が親指を立ててあっちと指を差す。
「分かった。」
蘭は大人しく言うことを聞き瑠依の部屋に移動する。
シックな内装のだだっ広い部屋で、中央の奥にキングサイズより大きなワイドキングサイズのベッドが置かれており、蘭はその真中に寝っ転がった。
昔から兄二人と一緒に寝ていたため今ではそれが当たり前。
だから3人一緒に寝られるように瑠依のベッドはこのサイズなのだ。
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