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縁(エニシ)
次の発情期になるのはまだ先だ。
それまではしっかり勉強して予習も先々までやる事にした。
副作用でダウンしても授業に戻って着いていけるように。
「蘭君、そろそろ寝たら?」
「うん。あと少し……
発情期来たらその分勉強出来なくなるし今の内に……」
夜遅くまで手元の小さなライトで頑張る蘭を尚は身体を壊すのではと心配していた。
けれどいくら言って聞かせた所で頑固な彼が聞く筈もない。
そんなある日、無理が祟ったのか蘭は少し頭痛があった。
昼休みまで頑張ってみたが頭痛は酷くなるばかりで尚と戸倉に促され午後の授業は諦めて保健室へやって来た。
「すみません。頭痛くて……」
そう訴えると、養護教諭の男性は蘭をベッドに案内してくれた。
「君、くまが出来てるね。
昨日何時に寝たの?」
「……2時くらい?」
少し言うのが躊躇われたが、正直にそう言うと先生はため息を付いた。
ここのところずっとそんな時間帯まで起きていた。
「君、馬鹿なの?
そんな時間まで起きてたらそりゃ寝不足で頭痛くもなるよ。」
「だって、発情抑制剤飲んだら勉強どころじゃなくなるから今のうちに勉強しないと……」
先生は呆れながらも少し寝なさいと蘭の頭に手を置いた。
程なくして急に睡魔が襲ってきて深い眠りに着いた。
それからどのくらい経ったのか、人の話し声で目が覚めた。
まだ少し頭がぼーっとするが寝る前よりスッキリしたし、頭痛もだいぶ治まった。
これなら授業に戻れると蘭はベッドから降りてカーテンを開けるとそこにいた人物に思わず体を強張らせた。
「な、なんでここにいるんだよ!!」
「ああ?」
目の前にいるのは嫌いなアイツ、高嶺礼司だった。
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