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縁(エニシ)③
「高…嶺……?」
息遣いが荒く、眉間には皺が寄っている。
そんな彼にゾクリと身体の奥が震えるような感覚に陥った。
そして自分自身は身体がどんどん熱を持っていく。
ああ、これはヒートだ。
まだ先の筈なのに彼を前にして反応してしまっている……
これが運命の相手だからなのか……?
「だからさっさと離れてぇのに……
余計な事しやがって……」
少し苦しそうな低音がビリビリと全身に響かせる。
高嶺は早く保健室戻って抑制剤を飲めと急かしてくるが蘭は踞って動け無くなってしまった。
すると高嶺は舌打ちしながらも蘭を抱き抱え保健室へと戻った。
「高嶺君、九条君!!
あれ、九条君発情期まだ先だよね?
まぁいいや、高嶺君こっちに……」
養護教諭の先生が高嶺を誘導し蘭をベッドに寝かせた。
「運命の番って言ってもこんな誘発されたりしないんだけどなぁ……
う~ん、やっぱ君特殊なのかな?」
「特殊?」
高嶺が先生に質問する。
「彼、普通の抑制剤効かないんだよ。
たがら副作用の強い奴使うしか無いんだけど……
九条君どうする?」
「…………よく…せ…ざ……」
仕方ないから副作用のある抑制剤を使って欲しいと蘭が言うと不意に高嶺が蘭を抱き上げた。
「高嶺君?」
「こいつは俺が処理する。」
「え?」
思いがけない彼の言動に蘭も唖然とした。
「副作用あんだろ?
発情の誘発は俺にも責任ある。」
自分にも非があると責任を感じる事に蘭が驚いているとこう言葉を続けた。
「安心しろ。
項を噛むつもりはねぇし、避妊はする。」
蘭が考えている事とは違う反応だったが、一応気遣ってくれたのだと少し見直した。
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