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縁(エニシ)⑥

それから何度も何度も行為に耽って1週間が経った。 熱が治まり我に返った蘭は羞恥心と屈辱に苛まれた。 やってしまった…… いくら発情期で運命の番と言えど好きでもない彼と1週間も、あられもない姿を晒してしまった。 「おい、お前なんか食う? 腹減った。」 なのにこの男は何事もなかったかのように平然としている。 「おい、返事しろよ。 この俺が聞いてやってんのに。」 「なんでそんなに偉そうなんだよ‼ つうかなんでそんな平然としてられるんだよ‼ あんな……あん…なに……」 あの行為を思い出し顔が熱くなり高嶺から視線を反らせた。 「何、たかがセックスだろ。 ああ、お前は童貞つうか、処女か…… それは悪かったな。初めてが俺で……」 少し小馬鹿にしたように言われ腹が立つも何も言い返せなかった。 たかがセックス。 彼にとっては自分との行為も大したことではないのだと思うとなんだか胸の奥にズキリと痛みを覚えた。 どうして痛みを感じたのか理由が分からないがあまり余計なことを考えたくないと心に仕舞った。 その後高嶺がコンビニで買ってきたという弁当を彼の部屋で一緒に食べる。 「なんか意外…… コンビニとか行くんだな。」 「俺はよく外ふらつくからな。 普通に何処にでも行く。」 超が付くほどの程の金持ちのお坊ちゃまがコンビニで買い物をするのかと蘭は少しだけ親近感が湧いた。 蘭もコンビニや100均などの店に行くことがある。 高級な店にはない面白い物が沢山あるからついつい立ち寄ってしまう。

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