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確執③

紅茶とお菓子をを頂きながら会えなかった日々を埋めるように沢山話していると、双子が起きたようで泣き始めた。 希一と陽介がすぐさま駆けつけ抱っこしながらあやす。 「お腹すいたのかな。」 「私が作りますので、希一様はそちらに。」 雫がキッチンに行き慣れた手付きでミルクの準備を始めた。 雫が戻ってくると希一が広実にどうですかと、ミルクを上げてみるかと聞いてきたので、どうせならと陽介が抱いていた片割れの瑠加を腕に抱き、雫からミルクを受け取ると元気よく飲み始めた。 「思い出すね、昔の碧を。」 「父様……」 小さな孫の姿を見つめながら昔の碧を重ねていた。 「私は、仕事ばかりで家のことはリアと家政婦に全部任せていたからね。 この子達を見てると勿体無いことをしたなと思ってるよ。 あっという間に子供は大きくなって、昔の思い出なんて残ってもいない。 碧、今の幸せをしっかりと噛み締めなさい。」 仕事ばかりで子供の頃の碧と過ごした日々の記憶があまりにも少なすぎると愕然とした。 せめて碧にはそんな風にはなってほしくないと思った。 色々話しているうちにあっという間に時間が経ってしまいそろそろ帰らねばと立ち上がる。 「すまんね、長居するつもりはなかったんだが…… 希一君も疲れたろ。」 「いえ、とても楽しかったですよ。 うちに来て下さったこと本当に感謝しております。 ありがとうございました。」 希一も自分のせいで碧が両親と会えなくなってしまったことに罪悪感を抱いていた。 だから今回、広実の訪問は待ち望んでいたことだった。

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