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名家①

高嶺礼司はこの夏休み、とあるパーティーに招待され出席していた。 沢山の女性に囲まれうんざりしてた頃、一人の男が高嶺の傍にやって来た。 「やあ礼司、久しぶりだね。 話がしたいしちょっといいかな?」 男は高嶺を人気のないバルコニーに連れてきた。 「相変わらずモテるね~。」 「………うるせぇ。 こんなパーティーに呼びやがって(まこと)」 「相変わらず失礼だよねお前。 ま、そこがお前の良いところなんだけど」 このパーティー、実はこの誠と呼ばれた男が主催者だ。 そして高嶺と高嶺より三つ年上の誠の二人は幼馴染みである。 幼い頃より親に連れていかれるパーティーで誠はいい遊び相手だった。 よくパーティーを抜け出して街中に遊びに行ったりもした悪友だ。 そして当然ながら彼もαだ。 「授業はちゃんと出席してるの? て言うか、出席日数不足で卒業出来ないんじゃない?」 「テストは毎回満点出してんだ。 それに出席日数くらいどうにでもなるだろ」 「うっわ、流石天下の高嶺様。 あの聖雷高校ですら高嶺に頭が上がんないって? まぁどうでもいいけど、今回さ、お前を招待したのは九条家の双子の令息が来てるからなんだよ」 誠はそうにっこり笑った。 「九条……?」 誠は確かにそう言った。 彼には九条蘭の話題は一切出していない。 なのにこのタイミングで九条家の話題が出るなんてこいつは何か知ってるんじゃないかと勘繰ってしまう。 「……ねぇ、そんな睨まないでよ。 怖いんだけど……… 別にうちが九条家と面識あるからってだけだよ。 それにこのパーティーはただ俺の誕生会ってだけだし」 そう、実はこのパーティーは誠の誕生日パーティーで高嶺とも九条家の双子とも知り合いの誠が招待したら話題の両家が揃っただけだ。 それに両家とも当主は来ていない為世間の注目は少ないながらも、あの犬猿の両家の接触は大変貴重だ。

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