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名家②

「犬猿ね…… 別に面識が無いだけで仲悪いなんて一言も言ってねぇんだけどな」 犬猿と言われる高嶺と九条だが、本当の所はずっと接触が無かっただけで世間が勝手に憶測で色々言うから変に注目を集めない為に互いに干渉しなかっただけだ。 暫く高嶺と話した誠は女の子に呼ばれ再び人の輪に戻っていった。 高嶺も女の子から一緒にあっちでお話ししようと誘われたが、疲れたと言って一人ここに残った。 一応友人の誕生日だからとこのパーティーに来たが、もう自分は用無いだろうから帰ろうと玄関へやって来た。 すると、玄関の扉付近で誰か男性二人が電話している声が聞こえ、このまま彼の横を通っていいのかと考えてると知った名前が聞こえた。 「ごめんな蘭。 お兄ちゃんいなくて寂しいよな。 うん、すぐ帰るから…… 明日は蘭とずーっと一緒だから…… え、ゆっくりしていけばって……蘭、お兄ちゃんの事邪魔?邪魔なの?ねぇ!!」 「おい瑠加、俺にも代われって!! もしもし蘭、俺……」 「あ、おいっ!!勝手に電話取るなよ瑠依!! ねぇ蘭?ちょっと冷たくない?ねぇ!!」 男二人が電話の取り合いをしているシュールな場面。 よく見たら二人は同じ顔をしている。 双子なのだとしたら、九条家の人間は彼らのようだ。 それに、彼らの口から聞こえる蘭の名前。 すると双子の片割れが高嶺の存在に気付き、電話で一言二言喋った後切った。 「どうも、君見ない顔だね。 名前は?」 「高嶺礼司っす。 あんたらが九条家の?」 「うん。まぁね………」 名前を名乗ると双子の顔色が少しだけ変わった。

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