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名家④

高嶺の御曹司…… 蘭の頭の中にはあの男の顔しか思い浮かばない。 「初めて会ったけど、俺正直あいつ気に食わないわ」 「俺も。 ヤンキーみたいな見た目で言葉使いも、「そっスか」……とか、そこは「そうですか」だろ!? 育ちが悪い」 第一印象は最悪らしく、二人には高嶺は不評のようだ。 「お前ら、人の事言える立場か? 言っとくが、お前達も大概だからな!!」 「…………」 ずっと黙って聞いていた父、碧が遂に口を挟んできて、図星をつかれた双子は黙ってしまった。 しかし、蘭は高嶺の不評ぶりに冷や汗をかいた。 これで運命の相手が高嶺です、なんて言ってみろ。 本当に高嶺が消されかねないと焦って、そっと自室に戻ると高嶺へとメッセージを送った。 『お前うちの兄に何した?』 「……………は?」 だがそんなメッセージを送られた方は意味不明だ。 会話はしたが、1,2分の立ち話だけだし、何かをした覚えはない。 なのでメッセージを何度読み返しても意図が分からず、手っ取り早く電話を掛ける事にした。 「おい、あれどう言う意味だ?」 『どうって、そのままの意味だよ。 兄様達が帰って来るなりお前の印象最悪って言いまくってるもん』 「知るかよ。 つうかそんなことでわざわざ連絡するなよ」 人の自分への評価をわざわざ知らせてくるなんて全くもっていい迷惑だ。 だが蘭は、家族の高嶺への評価を気にしているようだ。 『俺ら一応運命の番だろ? 俺の家族、特に兄二人はめっちゃ過保護なんだよ。 ………お前消されないように気を付けろよ!!』

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