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Memory:3

「はぁ〜、顔面、超いってぇ〜。」 そよそよと、心地よい風が吹き抜ける土手の原っぱに横になりながら、青々とする空を眺めた。 あの後、お察しの通り、俺は如月にタコ殴りされた。 「……これで、よかったんだよなぁ…。」 きっと今頃、如月は琥太郎を慰めに行ってるだろう。…琥太郎は泣き虫だからな。 「こたろーは俺のこと大好きだからなぁ…一筋縄じゃいかねえから、頑張れよー。」 チクチク痛む胸をギュッと抑え、溢れそうになる感情にも必死に蓋をした。 全部琥太郎のため、あいつのためならこんなの全然平気だと、自分に言い聞かせる。 「はぁ……、青空からは…どんな風景が見えるんかねえ…ははっ、あははっ…!」 痛々しい笑い声は、日常の一部へと消えていき。 一人、笑いながら泣いた。 「うわっ、お前…春川!?」 「おー。」 「どうしたの、その顔!…と、髪!」 翌日、大学へ行くと、友人の千都世(ちとせ)が、俺を見て驚く。 まぁ、無理もないだろう。 「んぁー、ちょっとした喧嘩と…イメチェン?」 如月にボコボコにされた顔面は、ガーゼやら湿布やら痣やらでいっぱいだし、茶髪だった髪色は綺麗なピンク色になった。 「いったそー、整った顔が台無しだぜ〜?まぁ、髪色は似合ってるけどよー…。」 「ははっ、サンキュ。」 「…でも、本当どうした?急に…。」 「んー、心機一転つーか、ケジメっつーか。」 俺には、死ぬ前にやんなきゃいけねえことが、たくさんあるからな。 「ふーん?よくわからんけど、いいんじゃね!」 でも喧嘩は程々にしとけよ、と俺の肩を叩いて、どこかへ行ってしまった。

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