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自分がしてきた事を無駄にしないために、全部捨てた。
「おーい生きてるか〜?はーるーかーわー。」
「う…んん…。」
琥太郎との思い出、携帯の中の記録…風景、生活、感情、その他諸々…全部。
「酒くさっ!お前、どんだけ飲んだのよ。」
そんな中、捨てても付いてくる奴が一人。
「っせーな…ほっとけや…。」
「春川よぉ、カーテン開けようぜ。」
俺を無視して、容赦なくカーテンを開ける千都世。引っ越し先も教えてないのに、どこから情報を入手したのか、ほんの数日で俺の居場所を見つけやがった。
「……眩しいから閉めろ。」
「ダメです〜!日光浴びねえといけないんだぞ!日が沈む前に光合成しろ、光合成!」
「…俺は葉っぱか…バカタレが…。」
荒れた日々を送る俺を、よくもまぁ見捨てずにいれるものだと感心する。
「なぁ、春川。」
「やだ。」
「まだ何も言ってねえじゃん。」
「聞かなくてもわかる。やだ。」
子供のように駄々を捏ねる俺に、ハァッと溜め息を零し、部屋の掃除をやり出した。
学校が終わると必ず来て、飯を作ったり、洗濯したり、掃除したり…最初は、通い妻か!と思ったが、最近では介護のようにも思えてくる。それだけ、自分がダラシない生活を送っているという事でもあるが。
「お前さぁ、いつまでもこんな廃れた生活送んのやめろよ。貯金も、そろそろなくなるんじゃねえの?」
「まだあるから平気だ。」
「いずれはなくなるもんだろうが。」
なんか今日は、ヤケに口うるさくてイライラする。文句言うなら来なきゃいいのに。
「なくなる頃には、死んでるっつーの。」
何気ない一言だった。
似たような事を、いつも言ってた。
「っいい加減にしろよテメェ!!」
だから、急に怒鳴り出した千都世が意味不明だった。
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