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Memory:22
「……はぁ…っ、」
日を越える度に、体力が落ちていく。
食欲もなくなってきて、ある程度維持していた腹筋も気が付いたらなくなっていて、全体的に痩せ細ってきた。
最近は鏡を見るのも億劫で、なんか本当、死が近付いているのがわかる。
「あー…なんか今日は、ヤベェな…。」
特に今日は歩く元気も、携帯を触る元気すらなくて、「千都世、早く来ないかな…」なんて、ソファーでぼんやり思っていた時、インターフォンが鳴った。
「………。」
もちろん、出る元気がないので…というか、動けないので無視する。ネットで頼んだものがあるわけでもないし、来る友達もいない、千都世は鍵を持ってるし、勧誘かなんかだろうと目を瞑った。
だが、インターフォンはずっと鳴り続けていて、終いにはドンドンッ!と扉を叩く音まで聞こえてくる。
「っんだよ、もぉ〜…千都世かぁ?」
あまりのしつこさに気が散って、重い体を起こし、ヨロヨロと歩く。こんなしつこい勧誘はないし、どうせ千都世が鍵を忘れたんだろうと思って扉開けた。
「千都世ェ、てめ、しつこ…い…、え…っ?」
「……っ、」
「…え、こた…っ?」
「は、はるかわぁ〜〜!!」
「ぐふぅっ!!」
一体何が起こった…?
「春川、はるかわ…っ、」
「…っ?え…っ?」
何故か俺は玄関先で、泣きじゃくる琥太郎に押し倒されていた。
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