22 / 47

Memory:22

「……はぁ…っ、」 日を越える度に、体力が落ちていく。 食欲もなくなってきて、ある程度維持していた腹筋も気が付いたらなくなっていて、全体的に痩せ細ってきた。 最近は鏡を見るのも億劫で、なんか本当、死が近付いているのがわかる。 「あー…なんか今日は、ヤベェな…。」 特に今日は歩く元気も、携帯を触る元気すらなくて、「千都世、早く来ないかな…」なんて、ソファーでぼんやり思っていた時、インターフォンが鳴った。 「………。」 もちろん、出る元気がないので…というか、動けないので無視する。ネットで頼んだものがあるわけでもないし、来る友達もいない、千都世は鍵を持ってるし、勧誘かなんかだろうと目を瞑った。 だが、インターフォンはずっと鳴り続けていて、終いにはドンドンッ!と扉を叩く音まで聞こえてくる。 「っんだよ、もぉ〜…千都世かぁ?」 あまりのしつこさに気が散って、重い体を起こし、ヨロヨロと歩く。こんなしつこい勧誘はないし、どうせ千都世が鍵を忘れたんだろうと思って扉開けた。 「千都世ェ、てめ、しつこ…い…、え…っ?」 「……っ、」 「…え、こた…っ?」 「は、はるかわぁ〜〜!!」 「ぐふぅっ!!」 一体何が起こった…? 「春川、はるかわ…っ、」 「…っ?え…っ?」 何故か俺は玄関先で、泣きじゃくる琥太郎に押し倒されていた。

ともだちにシェアしよう!