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「…なんで、こんなことすんの…。同情とか、やめ…」
「そんなわけないじゃん!!春川が…っ、春川が俺の事、新橋なんて呼ぶから…っ!!」
言葉を遮り、ボロボロと涙を零しながら、琥太郎は俺の胸ぐらを掴んだ。
「一人で決めてっ、一人で背負い込んで…っ、俺の事、たくさん傷付けてっ!!
それで、春川はもっと…っ、俺よりも、たくさん、たくさん傷付いてたくせに…っ!」
「………。」
「俺がしぬほど泣くのが怖い…?そんなの、当たり前だろっ!?しぬほど泣くに決まってる!お前が…っ死ぬんだから!!」
「…っだ、から…、」
「でも、そんなの今だってそうじゃんかぁ…っ!」
琥太郎の涙が俺の頬に落ちて、まるで俺が流した涙のように、俺の頬を伝っていく。
「急に冷めたとか言って…っ、女と遊ぶようになってっ!挙句、変な噂ばっか立てたまま大学辞めて…っ!俺は、お前と別れた時からずっと…ずっとっ、しぬほど泣いてるよバカァ!」
うわああっと声を上げながら、俺に抱きつく琥太郎。泣き声が俺の脳に響いて、視界が歪む。
そして、自分の愚かさに、今頃気が付いた。
「こ、た……っごめ…っ、」
「嫌だっ、許さない…っ!絶対に許さないからな…っ!!俺に何も言わず、死んでいくなんてっ、許さない!!」
俺が見たかった琥太郎は、太陽みたいに笑っていて、目が眩むほどの眩しさと、胸に響く幸せをくれる…そんな姿。
ずっと一緒にいたくて、守ってあげたくて…幸せにしてあげたい人。
俺が人生の中で一番、一番愛してる人。
「こたろー…、苦しい…。」
「フン…ッ、これくらい力入れないとっ、また逃げるだろ…っ!」
そんな人が今、俺の元に帰ってきてくれた。
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