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Memory:32 Reminiscence2
「こんなところに呼び出して…、話ってなんだよ。」
眉間にシワを寄せ、俺を睨み付ける如月。
その隣には、少し怯えた顔の琥太郎がいた。
「…春川についての弁解なら、聞く耳持ってねえぞ。」
「か、華南、あんま喧嘩腰にならないで…!」
如月の剣幕な雰囲気に、琥太郎は一人慌てている。春川が見たら、「怖がらせるな」って俺が怒られそうだな…なんて思っていると、再び如月が口を開いた。
「あんなやつ、地獄に堕ちればいいんだ。」
「華南…!」
「…ッアッハッハッハッ!!」
如月の言葉に、琥太郎は困った顔をしていたけど、俺は堪らず笑い出した。
「…何がおかしい。」
「いやぁ、まぁ…うん、そうだよなぁ。」
在学してた頃の春川は、本当に人として最悪の事をしていたから、そう思うのは普通。…ただし、何も知らないに限っての話だけど。
「あいつのした事は、決して褒められることじゃねえよ。如月の言う通り、このままだとあいつは地獄に堕ちるだろうよ。」
「……お前、一体何を言いに来た?早く要件を言えよ。」
「これは別に、春川の意思とは関係ねえ。俺自身がフェアじゃないと思ったから、伝えに来ただけだ。」
「だから、なにを…」
「春川は、もう長くねえ。」
「………え?」
如月の言葉を遮って言い放った俺に反応したのは、半分口を開けた状態で俺を見つめる琥太郎だった。
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