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「てか、如月とはどうなのよ。」 「華南?…別に、どうもないけど。」 たまに連絡は取ってるけど、卒業後は華南の仕事が忙しくて会う日は減った。 「んやーでもさぁ…向こうも相当片思い拗らせてんじゃん?なんかないの、ほら…。」 ニヤニヤ…と、ねっとしりた目付きで俺を見る時雨。全部言わなくても、何が言いたいのか嫌でもわかった。 「ないよ。華南は俺が嫌がることしないし、春川がずっと好きだって知ってる。…それに、いつまでも俺の事好きじゃないよ。」 「あン?どういう事?」 「恋人、できたから。」 そう、華南にはもう恋人がいる。 ずっと俺の事が好きだった幼馴染は、春川がいなくなって一年くらい、ずっと俺に好かれる努力をしていた。 「えー!?そうなの!?」 「もう半年以上経つよ。」 でも、俺も春川を忘れられなくて、そんな気持ちのまま、純粋に想ってくれてる華南の元へは行きたくなかった。 「へぇ、意外だなぁ。諦めれたんだ。」 「まぁ…詳しくはわかんないけど、今の恋人が華南に凄いアタックしたらしい。俺的には、華南が俺以外を好きになって、ようやく自分の幸せを掴んでくれて嬉しいよ。」 「ふーん。てっきりお前と如月がくっつくのかと思ったわ。…あ、すいまーせん!ビール一つくださーい!」 何度も告白されたし、春川と別れてた時は一回だけキスした事もある。…けど、俺の中で春川が消える事がなくて、中途半端に受け入れたことを酷く後悔した。 「そういう時雨は、どうなの。」 「あー?おれぇ?」 「…ずっと聞きたかったんだけど、時雨って春川の事…、好きだったの…?」 俺の知らない春川を、時雨は知っている。 でもそれは、時雨が春川を信じ切ったからこそ知れた事だと俺は思う。 恋人の俺でさえ出来なかったことを、時雨はやってのけたのだ。 それに、俺たちに春川の事教えてくれた時だって、なんていうか…、愛を感じた…気がする。

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