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第263話

お兄さんの秘密 18 「 チッ、なんだ。コウキも逝ったのか。ペニスにリングつけときゃ良かったな、逝っちまうとしばらく絞まんないだろうよ 」 と言葉はきついのにやけに仕草は優しくまだ息が整わない様子の兄貴に何回かキスをすると、男は脱がなかったズボンを整えて部屋から出て行った。 「 はぁ……」 ため息をついたのは兄貴と俺と同時だった。しまったと思ったが後の祭り。 「 だれ?」 カーテンを引いて顔を出すと、兄貴の顔は驚愕した。塞がらない口がパクパクしている。 「 おう……」 俺の方も言葉が出ない。兄貴はシーツで身体を隠すと安心したのか、 「 王国、なんで?ここに?どうやって入った?」 と聞く声も少し落ち着いてきた。 「 まぁ、外からかな 」 と答えると、兄貴はベランダを指差す。 「 まぁそう、ベランダづたいに来たわけよ 」 「 俺がここにいるのなんでわかった?」 「 ◯フォンの探すやつで 」 「 ああ、あれか 」 「 兄貴さっきのは誰よ 」 「 え? あぁ……」 「 強引に連れて来られたのか? とにかく兄貴はここを出られるの?」 「 強引じゃないよ、俺は自分で来たんだから……多分……もう帰れるかな 」 「 俺と一緒に出る?」 「 いやもう俺は今夜は用済みだからこのまま来た時と同じく帰るよ……まさか挨拶もせずにいなくなったらその方が大変だし 」 「 大丈夫なの?」 「 大丈夫!だから王国見つかるとまずいから早く出て 」 俺は心配しながらも、さっきの光景から兄貴の言葉を信じることにした。 「 じゃあ、家で 」 と一見まともな挨拶をしたけど、大きな疑問は抱えたまま照さんの部屋まで戻った。 部屋に戻ると大騒ぎをしている連中…… 悲痛な顔の杏果と楽しそうな照さん、無表情な女の人と、イライラしている和也さんと、なんと団さんまで揃っていた。 「 みんなでテーブルの前に集まって……何してるの?」 テーブルの上を見ると。 あ、何台かの受信機とボイスレコーダーがある。兄貴のあの声聞かれてたわけだ。俺の仕掛けた盗聴器でね。 振り向くなり泣きっ面のワンピース姿で飛びついてきた杏果の震える体を暫く抱きしめた。 「 凄!この光景、ホンモノの女に見える……」 照さんの声がした。

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