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第265話

お兄さんの秘密 20 部屋番号を確かめてチャイムを鳴らすと杏果が飛び出てくる。 「 ここ!先生の関係の家なんですけど、どうぞ入ってください 」 と俺たちをリビングに誘った。 やたらと大きなキッチンの先、 そこには男性と女性がソファで寛いでいる。 「 お邪魔します 」と2人で頭を下げると、 「 やぁいらっしゃい、遅くに大変ですね〜」 と愛想の良い挨拶をされた。 俺たちが自己紹介し難いと悟ったのか杏果が紹介を始める。 「 照さん、こちらはジャーナリストの団さん。で、こちらは僕たちの友人の和也さんです、といっても姉の友人なんですけど 」 繁々と2人を眺める照さん。 「 照さんは、僕の大学の先生、橋下さんの弟さんで、なんで知り合ったかというと……」 「 いや杏果それより、コウは?」 と和也さんが言うなり、リビングには男の声が聞こえてきた。 うん?とテーブルの上を見ると、エ?これ何? 「 あ、王国が仕掛けた盗聴器からだな 」 照さんの一言で皆黙って聞き入ってしまった。 男たちの話し声の後に、 部屋中に聞こえる喘ぎ声?男の声だよね…… 「 あ、恍紀の声か?」 団さんが呟く。その瞬間全員が固まった…… 『 くそ、大人しくしろ 』 『 あ、あん、イヤァ、ダメ…… 』 クチュクチュ鳴るのは口付けの音? 肌が擦れ合う音の合間に吐息で囁く声が聞こえる。 『 あ、ぁ……いい……キョウジさん、そこもっと 』 『 ここだろ?さっきも鞭振りながらお前ここ大きくしてただろう……堪んないな。しゃぶってやるから腰上げろよ 』 激しくしゃぶる音の後に、唸りながら嬌声を上げる声。 『 そこ早く、そこ弄って、あん!』『 ゆるゆるじゃないか…だれに入れられてたんだ?オレが来る前にだれだよ!この淫乱!』 『 違う、ダメ、違うから……』 『 そういやズイキ入れられてたな。お前ティー字帯でぶっといズイキ埋め込んで縛ってただろ 』 それに続いてなにかを倒した音がした。 続く激しい喘ぎ声が無言のリビングに響く。 隣で唾を飲み込む音がした。 男の声がひたすら淫猥な言葉を吐き出す。バチンバチンという肌を叩く音と荒い息とうめき声がしばらく部屋に響いた。 『 うおぅ!』 『 あぁん!』 最後にヌチョッという音。 ここで聴いている全員が居た堪れない様子だった。 実は1人を除いては。

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