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第267話
お兄さんの秘密 22
「 王国の気持ちはわかるけど。SMショーにまで子どもをというのはどうとも言えないね、洸紀が子ども相手に鞭振るったりは絶対にしないと俺も思う。ただ洸紀のわからないところではやってないって言えないし 」
場は一気に暗くなった。
「 恍紀君ってのに聞いてみるしかないんじゃないの?」
照さんが口を開く。
「 こんな普通のビルでやってるショーなんだから未成年のSMなんてそこまでやばいのはここではやってないと思うよ。子どもの姿も声も全く聞いたことも見たこともないしね。大人の楽しみだったら別に違法でもなんでもないでしょう?」
照さんの言い分に団さんがまあなと繋ぐ。
「 で、コウは恍紀は家にこのまま帰れそうだったの?」
と俺が聴くと安藤君は、
「 もう、本人は多分帰れるって言ってたから俺も家に帰って待ってた方が良いかな 」
「 明日お店は恍紀君は休み?」
「 そう兄貴は明日休み 」
「 団さんはどうしますか?」
「 うん俺は助っ人が下に来てるはずだから連絡して考える。恍紀が帰ってきたらすぐ連絡してくれ。話を聞きたいから、それでこの録音をコピーさせてもらっていいかな?」
照さんは肩をすくめて、
「 どうだろ、盗聴は罪になるんだろ?おまけに証拠にもならないと思うし 」
「 いや本当に参考にするだけだから、そこまで危ない事はバラしませんよ 」
「 じゃあどうやって?」
「 写真を撮るしかないから、現場の映像をね、それをリークって形で記事にするしかないだろうな……
中に入れるやつを見つけないと。
それと、これはまだわからないが警察も未成年相手では見過ごせないから動いてるって話だし 」
「 え?兄貴はどうなる?兄貴も警察に捕まるの?」
「 王国それがはっきりしないから先に恍紀に話を聞きたいんだ 」
下を向いて頭を抱えた安藤君に杏果がそっと寄り添っている。
「 俺も一緒に会っていいですか?」
「 和也君も?」
「 そう、俺にも昔のコウに責任があるから 」
しばらく考えてから団さんは頷いた。
その時団さんのスマフォが鳴った。
ラインが入ったのか、団さんが画面を確認して呟いた。
「 あいつが帰るらしい。若い男を連れてる。黒塗りの車が何台がウェイティングしてるらしい 。違う出口があるのか?」
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