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第272話
お兄さんの秘密 27 (15禁 )
そのまま画面を流す。
この兄貴は随分幼い。髪の毛も金髪だし声も今より少し高い、昔の動画か?
「 吊るされてる方は未成年じゃなさそうだな……結構な歳じゃない?
あれ?見たことある……テレビで 」
二人で同時に叫んでしまった。
「 ◯◯川 △ !」
この人有名な作家の先生だ。
あの個性的な髪型は今でもそうだよ。
え?と思い早送りしてみると、出るわ出るわ有名人のオンパレード。
「 こんなに鞭打たれたい人が沢山いるの?」
杏果の素直な言葉に思わず吹き出した。
「 杏果はSMって知ってる?」
ううんと首を横に振る杏果。もういちいち可愛い。
「 そう言えば、最近AVっていうのも知ったんだっけ ?」
俺の言葉に先日のビデオを思い出したのか真っ赤になった。
「 ごめんごめん。
SMっていうのはね、エスはサディズムって言って相手を虐める事で興奮することで、エムはマゾヒズムでその逆。虐められて気持ち良いと感じること 」
気まずい沈黙が流れた。
「 じゃあ、洸紀さんはエスってことなの?」
「 そうなるな……」
いつも穏やかで滅多なことでは怒ったり人を非難したりしない兄貴がサディスト?
しならせた鞭で天井から吊るされた人間やベッドにうつ伏せに縛られた人間を叩く姿。
俺の知ってる兄貴じゃない。
混乱した頭でもう一枚のディスクと入れ替える。
冒頭から音声で人の喘ぎ声が小さく聴こえて来た。
吸ってみろ……という男の声がする。
あぁ、と言う甘い声。
やがてカメラが捉えたのは全裸の二人の男?男だよね。
ベッドでもつれ合う姿。セックスしてる?
プロが撮ったらしく映像はブレてないし性器にボカシも入ってない。
ベッドの上に座った大きな外人相手に東洋人ぽい貌の青年が、脚を大きく広げられ、カメラに一物の挿入された局部が映るように下腹を突き出されている。
苦しそうな喘ぎ声と詰まったような吐息。
それはまだ成人になりきれない美しい身体をした青年だった。
淡い陰毛をまとわりつかせるようにピストンする外人の太い性器。
長い指で青年の乳首を擦り合わせよじらせ、その度に青年から上がる善がり声にこっちまで気分がおかしくなりそうだ。
その時杏果が詰まったような叫び声をあげた。
「 和也さん、これ和也さんだ!」
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