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第299話

お兄さんの秘密 54 (杏果 ) ハリセンの良い音の後にサンドラさんの叱咤の声。 「 それが余計なことだって!」 サンドラさん、やっぱり怖い 。 頭を抱えて謝る彼女彼を横目で見ながら僕らは仕方なしに服を脱いだ。 「 まぁ、世の中にゲイがそんなに転がってるわけでもないし 」 王国がブツブツ言っているのが聞こえる。 僕のローブは純白で所々がアラベスク文様に透けている。大切な所が透けてるような気がするから王国にチェックお願いすると、 「 お前、裸よりいやらしい 」 とガックリと下を向いてしまった。 「 さすが杏果、とっても綺麗よ。これならメニューのグレードアップも期待できるわ 」 「どういうことだよ!」 「 同席者が気に入ればどんどんメニューのチョイスのランクが上がるのよ 」 全く意味がわからない話だけど僕たちは廊下に出る。 「フランスや英国では、自然に帰るとか上等な事言いながら裸になるみたいだけど、私的にはやっぱり食欲、性欲、自己主張は三大欲求。全て自己を肯定する欲求よね!これが現代に最も足りないところで……」 サンドラさんの持論を聴きながら入ったジャングルの部屋は何かとっても心地よい香りに満たされてお腹は減るし気持ちは良いしでこれから先のことがとっても楽しみになった。これが言ってたAIの効果? 段々と身体が火照る中僕らが入ってきた同じドアから全裸の男が三人入って来た。裸の男が四人とローブを着てるサンドラさんと僕。軽くお互いに頭を下げると、一人の男が僕らを見てマスクをしていても驚く顔をしたのがわかる。うん?なんだろう。 「 ようこそ、ヌーデイスト レストランにお越しくださいました! 私、マネージャーの 山形 サンドラと申します。 本日はニューヨーク三つ星フレンチの大河洋行シェフのお料理をどうぞお楽しみください 」 「 たいが、ようこう? あの有名なシェフが日本に帰ってきてるんですか?」 「 日本で新たに出店するために準備されているのを今回、ヌーデイスト レストランの趣旨に賛同頂いて特別にお手伝いいただいております 」 「 それは、なんともラッキーだ 」 「 え?この声?」 王国とハモってしまったのは覚えのある声が聞こえてきたからだった。

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