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第300話
お兄さんの秘密 55 (杏果 )
「 お互いステキな格好の時に会うな 」
「 照さん!どうして 」
「 私はフードコーディネーターでしょうが。こんなワンダフルな企画逃すわけないじゃない 」
そう言われればそうだ、思わず納得してしまった僕の身体を背後からローブでくるんだ王国。
「 絶対に杏果の方は向かないで!」
「 そんな無体な、無理だよ〜」
わいわい言い合う王国にハリセンが飛んだのは勿論のことだった。
後の二人は照さんの仕事仲間なようで橋下先生じゃなくて正直ホッとした。
「 照さん、なんで橋下先生連れてこないの?」
「 連れてくるか……なんで他人に未来の裸を見せなきゃならん 」
やっぱりそうだよね、恋人の裸は他人には見せたくないよね。僕はなんで王国の裸をみんなに見せちゃったんだろう。
王国も僕を見て泣きそうな顔をしてる。
「 王国、ごめんね、知らない人に王国の裸見られちゃって 」
そっと謝ると目の前の照さんが爆笑した。
「 君たち本当に最高のバカップルだ 」
サンドラさんは照さんの言葉に反論しかけた王国の股間をハリセンで一発叩くと、
「 はい、お座りくださいませ!
まずシャンパンで乾杯いたしましょう 」
と席に着いた僕たちの前のグラスに優雅にシャンパンを注ぐ。
勿論注ぐ時に肘をあげるから開けたローブから白く輝くような身体は丸見えで、照さんの同行者山田さんと田中さんは食い入るようにサンドラさんの首から下の方を見ている。
なんか、やっぱりそこ目がいくよね。
急所にハリセンが入った王国は暫く悶絶してたけどなんとか席につけた。良かった〜大事なところだものね。
「 今日のシャンパンは、
グラン・クリュ、特級の畑のシャルドネとピノ・ノワールで造られた、テタンジェ コント・ド・シャンパーニュ・ロゼです 」
ほお、という声でサンドラさんの身体を見ていた2人もシャンパングラスの方に目が戻る。
「 そんなにすごいシャンパンなの?」
と小声で王国に聞くと、照さんが答える。
「 日本では漫画に登場して有名になったシャンパンで、まぁ飲んでみればいい、なにを感じるかそれが大切なことだ 」
サンドラさんも話を引き継ぐ。
「 説明されるよりも飲んで味わう方が良いと思う、自分の口の中を信じるのも大切だから 」
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