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第324話
お兄さんの秘密 79 ( 杏果的な閑話 )
翌朝何かを激しく叩く音と共に僕の朝はあけた。
何事かと思って飛び起きた僕とぴったりと隙間もなく抱きついていた王国はもちろん真っ裸で、おまけに床にはバスタオルが3枚ほどぐにゃりと捨て置かれている。
そして、最悪なのはドアを蹴り破りそうな勢いで叩くのは、声からして間違いなく姉貴ってこと。
「 なんだろう……」
「うーん、何?……朝から 」
「 王国、起きて。
なんか姉貴が今猛烈に怒ってるから、まずいかもしれない 」
え?慌てて起きた王国はそれでも僕の身体を弄るように撫で上げると音を立てて僕の少し朝勃ち気味なピンクのソーセージにキッスを寄越す。
「 おう、おうこったら 」
僕も抱きついて太いソーセージとタプタプした双玉ちゃんにキスを返したいんだけど、もうそんな暇は待ってくれそうもない猛獣が部屋の外にいた。
服を着て意を決して扉を開けるとそこには頭を沸騰させた響子姉さんが仁王立ちしていた。
「 杏!あんたあたしの◯ランのお高いボディ〜クリームを
空にしたでしょ! 」
「 え?いつ?
僕、ボディクリームなんて……あ、、」
「 どんなのですか?」
「 キャップがゴールドでボトルがネイビーの、
お風呂に置いて会ったやつよ!」
「 あ、あ、あれ? 」
覚えがある、ありまくり。
昨夜お風呂でいたした時にたっぷりと王国が僕のあそこに塗りこめたのがそのクリーム。
「 手近にあったんだもの 」
言葉を発した王国をぎらりと睨むと、
「 それよ、それ!弁償しなさいよ! 」
「 お、おいくらですか?」
「 五万四千円プラス!消費税 」
「 えーー!」
「 何を騒いでるんだよ、朝から……」
ヒロシさんが起きてくる。
仁王立ちした姉貴の横から僕の部屋を覗くと王国を見つけて、
「 おはよう〜安藤くん 」
とのんびりと挨拶する。
「 御近所迷惑だから、大きな声はダメだよ響子ちゃん 」
ヒロシさんに諌められた姉貴は深く深夜呼吸すると、
「 いいわね、あたしには
あれが
毎日の必需品なの
今日中に買っておいて!」
とビシッと言うなり階段を音高く降りていく。
「 そのお高いクリーム
しっかり杏果のあそこに塗っちゃったもんな……」
と呟く王国にヒロシさんがギョッとした顔をしたのを僕はしっかりと見届けた。
意味がわかるヒロシさん、
親子で塗られてるのは、あ、そ、こ?
ぎゃあ、ほんとに恥ずかしい!
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